今月の学生実習教員からのレポート

獣医臨床病理学実習

日常の診察を行う上で必要な血液検査、血液化学検査、細胞診検査を総合的に理解し、適切な解釈ができるようにする。

開講学年
開講月日
5月18日~6月12日
担当教員

教授 盆子原 誠、講師 田村 恭一/獣医臨床病理学研究室

犬および猫の血液塗抹標本ならびに細胞診標本を用いた顕微鏡観察を通じて、臨床病理学的検査の基礎的な診断能力を養う。血液塗抹標本では、赤血球、白血球および血小板の形態学的特徴を観察し、細胞数の変化や形態異常から病態を推測する能力を身につける。また、細胞診標本では、炎症性病変および腫瘍性病変に出現する細胞の特徴を理解し、細胞学的診断の基本的な考え方を学ぶ。実習では、様々な症例の標本を観察し、得られた細胞学的・血液学的所見をもとに病態や疾患を考察する症例検討を行う。これにより、顕微鏡所見を単に認識するだけでなく、臨床情報と統合して解釈する能力を養い、獣医臨床における臨床病理学検査の意義と活用法について理解を深める。

内容

  • 血液塗抹標本の観察と血液細胞の形態評価
  • 骨髄塗抹標本の観察と骨髄細胞の分類・評価
  • 細胞診標本の観察と炎症性・腫瘍性病変の評価
  • 顕微鏡所見に基づく症例検討

感想

血液塗抹標本、骨髄塗抹標本および細胞診標本の観察を通じて、学生は細胞形態の特徴や病態との関連について理解を深めることができた。特に症例検討では、各班において学生同士が積極的に意見交換を行い、観察された所見の解釈や鑑別診断について活発なディスカッションが展開された。単に細胞を観察するだけでなく、臨床情報と顕微鏡所見を統合しながら病態を考察する姿勢がみられ、主体的な学習が実践されていた。班内での議論を通じて、多様な視点から症例を検討する経験を積むことができ、臨床病理学的な思考力およびコミュニケーション能力の向上につながる有意義な実習となった。

Babesia gibsoni感染犬の血液塗抹標本。赤血球内に小型のリング状から楕円形を呈するBabesia gibsoni原虫が認められる。本症では溶血性貧血を呈することが多く、血液塗抹標本上では赤血球寄生原虫の確認が診断の一助となる。
Babesia gibsoni感染犬の血液塗抹標本。赤血球内に小型のリング状から楕円形を呈するBabesia gibsoni原虫が認められる。本症では溶血性貧血を呈することが多く、血液塗抹標本上では赤血球寄生原虫の確認が診断の一助となる。
急性リンパ芽球性白血病(ALL)罹患犬の血液塗抹標本。末梢血中に大型の円形細胞が多数出現している。腫瘍細胞は正常リンパ球より大型で、高いN/C比、繊細なクロマチン構造および明瞭な核小体を特徴とする。急性白血病ではこのような芽球様細胞が末梢血中に高率に出現する。
急性リンパ芽球性白血病(ALL)罹患犬の血液塗抹標本。末梢血中に大型の円形細胞が多数出現している。腫瘍細胞は正常リンパ球より大型で、高いN/C比、繊細なクロマチン構造および明瞭な核小体を特徴とする。急性白血病ではこのような芽球様細胞が末梢血中に高率に出現する。
犬の悪性黒色腫の細胞診標本。悪性黒色腫は犬の口腔内に良く発生する悪性腫瘍である。腫瘍細胞の細胞質内に黒褐色のメラニン顆粒が豊富に認められる。腫瘍細胞は大型で多形性に富み、核の大小不同・不整、大型で不整な核小体および高いN/C比などの悪性所見を示している。
犬の悪性黒色腫の細胞診標本。悪性黒色腫は犬の口腔内に良く発生する悪性腫瘍である。腫瘍細胞の細胞質内に黒褐色のメラニン顆粒が豊富に認められる。腫瘍細胞は大型で多形性に富み、核の大小不同・不整、大型で不整な核小体および高いN/C比などの悪性所見を示している。

感想

血液塗抹標本、骨髄塗抹標本および細胞診標本の観察を通じて、学生は細胞形態の特徴や病態との関連について理解を深めることができた。特に症例検討では、各班において学生同士が積極的に意見交換を行い、観察された所見の解釈や鑑別診断について活発なディスカッションが展開された。単に細胞を観察するだけでなく、臨床情報と顕微鏡所見を統合しながら病態を考察する姿勢がみられ、主体的な学習が実践されていた。班内での議論を通じて、多様な視点から症例を検討する経験を積むことができ、臨床病理学的な思考力およびコミュニケーション能力の向上につながる有意義な実習となった。