卒業生は今(OB/OGメッセージ)
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『ケンブリッジ大学 研究留学記』
及川 真実さん 2008年度卒


英国ケンブリッジ大学 ガードン研究所
ジョン・ガードン研究室 博士研究員

■ 海外での研究と暮らしに関して

 現在、私は博士研究員(博士号取得後、修行中の研究員)として、ケンブリッジ大学ガードン研究所に勤務しています。 2014年12月から渡英しており、現在3年目を過ごしています。留学当初は新しい環境に慣れるのに精一杯で凹む毎日でしたが、試行錯誤を続けた結果、研究・日常生活ともに成長を感じられる場面が増えてきました。
 ケンブリッジは比較的治安が良く、とても住みやすい町です。シティセンターにはショッピングセンターや銀行がありとても便利です。その一方で、ケム川近くの公園には牛や羊が放牧されるなど、のんびりした雰囲気も味わえます。
 イギリスに来て数々のカルチャーショックを受けましたが、一番衝撃的だったのは勤務スタイルです。9~17時勤務は当たり前で、その中には30分~1時間の午前中のティータイム、さらに1時間のランチタイムも含まれています(これにティータイム午後の部がプラスされることも!)。現在はこの生活にも慣れ、集中力や計画力の改善を実感しています。勤務後にはテニスやジョギングなどのスポーツに励んでおり、心身ともにリラックスできる時間も増えました。

■ 学生時代(卒論研究室)の思い出

 10年前に研究室に入室した頃は、ただ動物が好きで、生殖細胞が面白くて、毎日研究室に来てはわいわいと実験していました。先生方と、特に同期とは家族のように仲が良かったです。誰かの実験がうまくいったときはみんなで喜び、失敗して落ち込んだときはお歳暮のモロヘイヤ麺や、食肉処理場からいただいたモツで鍋をして心も体も温めました。岡田先生にはよくロシアンルーレットたこ焼きを作っていただき、何人もの仲間が辛い(からい)思いをしました。悩んだときは友金先生(著者在籍時の動物生殖学教室教授)に優しく諭していただき、仲間を励ますつもりがみんなでもらい泣きしてしまいました。未熟なりに、みんなで笑って泣いて食べて実験して、二人の先生に見守っていただいた2年間は私の宝物です。今でも同期8名や1つ下の後輩とは1~2年に1回は会っており、そのときには必ず昔話で盛り上がっています。

■ 在校生へのメッセージ

 皆さんのなかには、動物が好きで入学したけれど、実は将来何をしたいのかわからないという方もいると思います。私もそうでしたし、今研究を続けている理由も動物が大好きだからです。ただ、自分がこっちに行きたいと心が揺れた場面では、その道に近づく方法を探し、比較的すぐに行動していました。結果、進路を変えたこともありましたし、様々な経験を経た上で今があります。目標ができたら、それを達成するために何が必要なのか問いを立て、それに答えるための計画を書いてみましょう。特に、「なぜその目標(プロジェクト)は重要なのか?」を、どんな人にもわかりやすく説明できる能力は、どの職業においても大切だと思います。

■ 謝辞

 私を研究室に受け入れてくださったジョン・ガードン博士、そして、いつも私を励まし、研究生活を支えてくださるジェローム・ジュリアン博士に心から感謝申し上げます。また、大学院時代の指導教官の石野史敏先生(東京医科歯科大学)と小倉淳郎先生(理化学研究所)、ガードン研究室とのご縁をつないでくださった宮本圭先生(当時ガードン研究室研究員、現在近畿大学)にも、深く感謝申し上げます。なお、私の研究の遂行にあたり、日本学術振興会海外特別研究員制度からのご支援をいただいております。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

モードリンカレッジでのガードン研究室クリスマスディナー。
一番奥がガードン博士、右列の一番前から宮本先生、著者、ジュリアン博士です。

実験中です。初期胚を集めています。

そびえたつキングスカレッジ。

ケム川と私。いいお天気です!