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研究への理解を深める文献ゼミ

准教授 小柳 円(動物生体防御学教室)

 今回は4年生の科目である「文献ゼミ」を紹介したいと思います。文献ゼミの内容、開講形式などは各研究室で異なるので、動物生体防御学教室でのゼミを紹介します。
 本研究室では、免疫に関する研究を行っております。免疫とは体内に入った病原微生物や外来異物を排除する仕組みのことです。その中でも、無害な物質に過剰に反応してしまうアレルギー反応がどのような機序で起こるのか、精神的なストレスは免疫反応にどのような影響を与えるのかというテーマで日々研究を行っています。研究を行うためには、これまでその分野ではどのような研究がなされているかを調べ、応用して研究を進めていくことが必要です。そこで、文献ゼミでは「精神的ストレスと免疫反応」「皮膚炎」「マスト細胞」などのキーワードを用いて論文検索を行い、今後の研究を進める上で役に立つ論文を探します。

 世界中の研究者が研究を行っており、共通の言語は英語になります。一般的な科学系の学術論文は要旨、序論、方法、結果、考察のセクションに分かれています。序論にはその研究分野のこれまで解明されてきたことや議論になっていること、それを踏まえて著者らが疑問に思い、今回の論文で明らかにしていくポイントなどが書かれています。方法にはこの論文で使われている実験の方法が書かれており、実験に使用される試薬や細胞の調整方法、実験のタイムスケジュール、例えば、何日間細胞を培養したらいいのかなど、自分たちが実験する上で参考になることが書かれていいます。結果は論文の中心となる部分です。表や図を用いて得られた結果の説明が書かれています。考察には結果から導き出された結論やその結論に至った経緯など、他の研究者の論文を引用し著者らの考えが述べられているパートです。

 学生さんは2、3人のグループを作り、この英語で書かれた論文を隈なく読み込み、実験の方法、実験の結果、考察をわかりやすくまとめた発表スライドを作成し、他の学生さんに説明します。ちなみに大学院生になると1人で発表してもらうことになります。最初のうちは理解するのに時間がかかりますが、何回も繰り返すことによって理解も深まり研究に対する思いも深くなっている(?!)と、期待しています。

▲ゼミ風景

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