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新任教員インタビュー:秋山 蘭 先生

獣医保健看護学科広報委員会

 本年4月に獣医保健看護学科 獣医保健看護学臨床部門に着任されました秋山 蘭(あきやま らん)助教をご紹介します。秋山助教は、愛玩動物看護師の有資格者でもあります。


▲獣医保健看護学科専用の模擬動物病院にて

【自己紹介をお願いします】

 はじめまして。4月より獣医保健看護学臨床部門の人と動物の関係学研究分野に助教として着任いたしました、秋山蘭と申します。幼い頃から動物が大好きで、小学生の時に犬を家族に迎え入れ、一緒に暮らし始めました。動物とともに暮らしていく中で、高校生の時に、将来は動物たちやその飼い主様に寄り添えるような仕事がしたいと思い、動物看護師の道を目指すようになりました。本学に入学後、専門科目を学び、研究室の先生や先輩・後輩、たくさんの動物と関わり、動物看護師の在り方について、ますます魅了されていきました。卒業後、動物看護師の資格が国家資格化され、愛玩動物看護師は社会から期待されている存在だと改めて実感しました。注目される愛玩動物看護師の魅力について、在学中の学生たちや愛玩動物看護師を目指す方々にも伝えていきたいと思っています。

【着任前にはどのような研究や活動をされていましたか】

 学生時代は、犬において栄養組成の異なる食事が消化管ホルモンの分泌にどのような影響を与えるかについて調べました。食事の中に含まれる食物繊維や脂肪の量や、さらに細かいそれらの種類によって、分泌されるホルモンの量や経時的な変動をはっきりと知ることができ、食事の大切さと研究の楽しさに気付かされました。
 本学卒業後は、別の大学にて動物看護師教育に携わってきました。授業では、動物臨床看護学の実習を中心に、動物の保定法や身体検査の方法、外科手術時に扱う器具の扱い方などを教えていました。研究では、犬猫の栄養管理やがん罹患動物の看護ケアに関するテーマを中心に取り組んできました。一般的に、飼育されている犬猫たちの栄養管理は飼い主様が行います。疾患を抱える動物では、食欲の低下が見られることや、獣医師から食事内容を制限されることもあります。動物たちの食欲不振が続く状態や、食事を食べる元気もない状態を見た飼い主様は、今後の食事管理について心配になると思います。また、がん罹患動物の飼い主様においても、診断の告知をされたときには強いストレスがかかり、その後の自宅での日常的な管理をはじめとした今後の生活に対する心配や不安が尽きません。このような食事や動物の疾患に悩みをもつ飼い主様に対して、愛玩動物看護師が寄り添ったケアを提案・提供することができれば、飼い主様の気持ちが楽になり、動物の生活の質が向上すると考え、研究を行ってきました。

【専門分野は本学科の教育・研究の中でどのような位置づけにあるのでしょうか】

 人と動物の関係学は、人と動物が相互によりよい関係性を築くための学問であり、私たちが動物たちと暮らすうえで必要不可欠なものです。家庭で飼育される犬猫たちは飼い主様がいてこそ生活が成り立ちます。動物たちが生活しづらいような誤った飼育方法は、飼い主様の生活にも支障をきたすような行動を招く可能性が高まります。また、家庭だけでなく、動物にとって不慣れな動物病院のような場所や、その動物の性格なども考慮しながら、人と動物が相互に安心できて安全に過ごせる環境づくりを行う必要があります。人と動物が今後もより豊かな生活を送れるように、動物たちに示すべき行動や接し方を学生たちとともに検討していきたいと考えています。

【最後に今後の抱負をお願いします】

 人と動物の関係は時代とともに変化し、今では「ペットは家族の一員」という意識が広まっています。お互いの関係がよりよく繋がり、共に過ごす暮らしが豊かなものになるように支援できる愛玩動物看護師の育成を目指しています。これまでに得た知識はもちろんのこと、培ってきた経験も活かしながら愛玩動物看護師ならではの視点で物事をとらえ、学生たちに動物看護の魅力や研究の楽しさを伝えていきたいと思います。また、私も学生たちと一緒に考えたり、悩んだり、ディスカッションしたりと、コミュニケーションを取りながら、活動を進めていきたいです。学生たちが卒業時に4年間を振り返って、“充実した学生生活だった”、“ここに入学して良かった”と思ってもらえるように、様々な場面で支援していきたいと考えています。よろしくお願いいたします。




獣医保健看護学臨床部門 人と動物の関係学研究分野
助教 秋山 蘭


  • ▲学生との実習風景

  • ▲動物医療センターで看護業務もおこないます