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「アジア地域における獣医療国際ネットワーク構築促進プログラム」
さくらサイエンスプラン2017実施報告

 本学では、平成29年6月20日から6月28日にかけて「日本・アジア青少年サイエンス交流事業」(さくらサイエンスプラン)の支援を得て、アジア地域の海外学術交流協定校から10名を招へいしました。
 招へい者は、台湾(中興大学)、韓国(全南大学)、タイ(カセサート大学)の3大学及び大学付属動物病院に所属する若手教員及び大学院生10名(女性5名、男性5名)です。
 研修プログラムは9日間の日程で、本学の動物医療センターを中心に、北海道大学及び東京大学、日本動物高度医療センター川崎、旭川市旭山動物園、よこはま動物園ズーラシア等の様々な機関よりご協力をいただき、特別講義および各動物医療センター等の施設見学などを行いました。
 さくらサイエンスプランの実施により、当初の目的でもある本邦における小動物臨床医療の概略を紹介することができました。また、それぞれの協力機関でも非常に好意的に、かつ熱心に今回のプランに協力いただいたことに対し、この場をお借りして心より感謝申し上げます。そして、今回ご参加頂いた獣医系大学および関連機関間における連携がより高まったものと考えております。

本学大学院生による施設案内および説明

北海道大学獣医学部 高木准教授による
「獣医学教育におけるICTを用いたTechnology Enhanced Learning」特別講義

 また今回初の試みとして、日本を代表する動物園である旭川市旭山動物園およびよこはま動物園ズーラシアで、館内のバックヤードを見学させていただきました。各々の動物園において、動物たちが能力を引き出すためにどのような工夫がなされているのか、施設の設計、飼養や衛生の管理、種の維持など多岐にわたる丁寧な説明をいただきました。招へい者の方々は驚きの表情を見せながら、熱心に質問をしておりました。動物園の職員の方々が動物たちにどれだけ想いを馳せているかを私たちに直接伝えてもらえる、すばらしい機会となりました。
 今回、大学病院、関連施設に加えて、動物園をプログラムに組み込むことで、獣医療に関する幅広い視野を醸成し、多角的な視点を持ち世界で活躍できる獣医師の養成に一役買えたのではないかと本学関係者一同自負しております。

旭川市旭山動物園 坂東園長によるバックヤードツアーにて
動物の行動と生態について熱心に質問

横浜市繁殖センターにて絶滅危惧種カグーの繁殖成功例を学ぶ

 また、招へい者同士でのグループワークやディスカッションを通じて、日を重ねるごとに親密度を増し、国を超えた獣医療ネットワークが形成されていく様子を目の当たりにしました。
 このプログラムが、将来のアジア獣医療の更なる協力体制の強化に繋がっていく契機となることを願って止みません。
 このプログラムの参加を通じて、参加者は日本の科学技術レベルの高さや研究者・教員らの熱心な指導に感銘を受け、日本への留学意欲が高まったようです。中長期的な留学を目指して、帰国後も複数の参加者から問い合わせが続いています。
 今後は、事前にオンラインでの事前学習などを一部組み込み、参加したASEAN地区の招へい者と共に、国内の大学の協力機関からの院生や若手教員も加え、グループで協力して問題解決にあたるプロジェクトを準備したいと考えております。そして、日本の獣医関連機関を中心に、更なる国際連携、国際協力を行なえるよう邁進していく所存です。

獣医学部獣医学科 基礎獣医学部門 形態機能学分野
教授 尼﨑 肇

東京大学付属動物医療センター長 中山教授による
アジア獣医療ネットワーク構築の重要性に関する特別講義

研修報告発表会兼送別会時の集合写真