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第145号:動物科学科2年次 農場実習を終えて

長田 雅宏(講師/システム経営学教室)

2015/09/18 更新
 この度の北関東・東北を襲った記録的豪雨により被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧がなされますことをお祈り申し上げます。
 今季の動物科学科農場実習は猛暑から一転して豪雨になるなど、不安定な天候の中で行われましたが、無事に全行程を終えることができました。特に三回目の実習(2015年9月6日~9月9日)に参加した学生たちは、自然の厳しさや悪天候の中での対処など、多くを学んだことと思います。農場実習では実学主義を礎に、産業動物をとことん学びます。私は、直接産業動物と相対することによってはじめて、農業の厳しさ、大切さ、そして楽しさが習得できると考えております。農場実習の意義とは何でしょうか。私は常にこの課題について摸索しています。

 私たち教育・研究に携わる者は、その評価が非常に厳しく行われます。研究成果はアウトプットとして発表した論文数で数えることができますが、最も大事なのはアウトプットではなくアウトカム(それがどう役立っているか)ではないでしょうか。教育現場のアウトプットは授業をして学生を卒業させること。アウトカムは、新しい概念や人材教育によって、学生たちが世の中に出て役に立ち、素晴らしい人となること。教育現場で一番大事なことだと思います。

 話しは農場実習から若干横道にそれますが、私は「酪農をもっと知ってほしい」、「酪農をもっと知りたい」という気持ちに応えたいという思いから、酪農家と大学生が交流できる場を創出し、学生20名を集めました。契機となったのは、今年5月に畜産専攻の大学生や一般消費者約120名が参加した「酪農を好きになろう!プロジェクト」です。大学の枠を越え、様々なイベント・プロジェクトに参加する活動です。プロジェクト担当だった学生が今までに築いてきた酪農家、関連機関との信頼関係を引き継ぎ、積極的に酪農現場へ出向きました。さらには他大学との親睦を深め、価値観を共有して充実した学生生活を送れるようにという想いで参集しました。まさに社会に出る前の人材養成の場であって、アウトカムを期待する私の目論見の一つです。

 今季、初めて農場実習担当を拝命し、準備から実習当日、実習後に至るまで一貫して携わりました。初日は、どこに連れて行かれるのかと不安げにバスに乗り込む学生を見て、昔の自身を思い出しました。実習に一生懸命取り組む学生たちは新たな知見に気づき、実習後には大きく成長していました。この農場実習は、動物科学科の先生方がアウトカムを期待してお忙しい中で時間を割き、実施してきたものです。私もこれを踏襲するかたちで動物科学科の先生方のお力添えのもと実習に挑み、学生の成長を実感することができました。「人を畑に返す、耕す人を育てる」、この実習は大変意義あるものと自負しております。これからも農場実習を心の支えに教育・研究に精進してまいります。