ブログカテゴリーイメージ
前へ戻る

第159号:-高大連携事業-日本獣医生命科学大学活動報告

牛島 仁(教授/動物科学科動物生殖学教室)

2016/04/27 更新

チーム生殖

 高大連携校である瑞穂農芸高校の生徒の提案が実を結びました。3月24日に富士アニマルファームでブラウンスイスのメスが分娩し、ほどなくして瑞穂農芸高校からも無事出産の連絡が入りました。
 受精卵移植技術は品種増産に有効な手段であり、国内では黒毛和種受精卵をホルスタイン種に移植することにより、年間2万頭を越える肥育素牛が生産されています。富士アニマルファームでも本技術を導入して学内の品種増産に活用してきましたが、昨年度から牧場内で利用しきれない余剰な受精卵を農家に販売することとなりました。当面の価格は移植後40日で受胎した場合、乳用種が15万円、和牛が10万円で、追い移植等に用いる交雑種受精卵を5千円と設定しています。今回の事例は減免申請が受理されたので対価が得られませんでしたが、お金で買えない感動がありました。晴れて4月から1年生になった当人との2ショットです。

東京都立瑞穂農芸高等学校 畜産科学科3年 佐々木絵里奈

 今回、高大連携の一環で受精卵移植という高度な繁殖技術を学ぶことが出来ました。
 昨年の6月に見学した時は移植があっという間に終わってしまったので、あまり完了した実感は湧きませんでしたが、獣医師による妊娠鑑定で胎子を見たり、日々変化する母牛の様子を観察したりすることを通して、受精卵移植が成功したと感じることができました。
 3月26日夕方、母牛に分娩兆候が見られ、みんなで見守りました。破水後も陣痛は弱く、なかなか胎子が出てきませんでしたが、18時10分、無事に分娩。すぐに雌雄の確認をしました。雌雄判別精液を使用しているとはいえ、オスが生まれることもあると聞き、ドキドキしていましたが、メスであることが確認でき一安心でした。子牛の体重は43.7kg、初乳もたっぷり飲みました。この子牛は今、みんなの注目の的となっています。日獣大との高大連携のおかげで、他の学校では体験できない貴重な経験をさせて頂いたと感謝しています。私はこれから先輩の研究を引き継いで生まれた子牛の調教をし、扱いやすいウシに育てていきます。そして、後輩の種付けと分娩・搾乳の研究へと繋げます。
 今後も資料でしか学ぶことのできなかったブラウンスイス種を実際に育てながら新しい発見をしていきたいです。今年は、ガーンジー種の受精卵移植にも挑戦したいと考えています。