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藤原准教授のチームが第20回日本獣医内科学アカデミー学術大会「臨床研究アワード」を受賞しました

 藤原亜紀准教授(獣医放射線学研究室)を責任著者とする一般演題「猫の鼻咽頭狭窄48症例における回顧的研究および最適なバルーン拡張プロトコールの検討」が、第20回日本獣医内科学アカデミー学術大会において「臨床研究アワード」を受賞しました。
 この賞は、症例検討・研究発表においてアワード審査を希望した演題のうち、症例検討、臨床研究、研究の各部門について各2題が表彰されるものです。

受賞についてのコメント
 2024年2月23-26日に開催されました第20回日本獣医内科学アカデミー学術大会において、一般演題「猫の鼻咽頭狭窄48症例における回顧的研究および最適なバルーン拡張プロトコールの検討」が臨床研究アワードを受賞しました。また我々は昨年も同学会にて発表した一般演題「犬の呼吸器疾患451頭における解剖学的部位と臨床徴候の関連性について」が同賞を受賞しております。日本獣医内科学アカデミーは、獣医師の卒後教育を充実させるためアメリカ獣医内科学会(ACVIM)に倣って日本の獣医内科系大学教員が中心となって発足した学会です。本研究は藤原が演題責任者として、研修生の谷口が口頭演者、大学院生の中澤、大島が共同演者として取り組みました。猫の鼻咽頭狭窄は鼻咽頭疾患においては非常に発生が多く、治療法の第一選択はバルーンカテーテルを用いた拡張術とされています。しかしながらこれまで猫の鼻咽頭狭窄に関しては少数の症例報告がほとんどで、疾患のシグナルメントなどの臨床的特徴やバルーン拡張術を行う際の最適な治療プロトコールなどはわかっていませんでした。そのため本研究では過去に来院した猫の鼻咽頭狭窄の48症例の情報から臨床的な特徴づけを行うとともに、治療反応や予後を調査し最適なバルーン拡張術のプロトコールを検討しました。
 今回の研究発表をきっかけに、他大学からも共同研究のご協力を頂けることになったため、さらに症例を追加して大規模な論文発表をして行く予定です。まだ世界的にも情報が少ない犬と猫の呼吸器疾患の分野において、研究成果を臨床現場に還元できるよう今後とも臨床研究・基礎研究を進めて行く所存です。

▲左から藤原亜紀准教授、中澤さん(大学院生)、谷口さん(研修生)、石川さん(獣医学科5年)、川上さん(動物医療センター研修獣医師)、大島さん(大学院生)

 また本学会で獣医学科5年の石川さんは「麻酔前検査としての喉頭超音波検査の有用性検討」、川上研修獣医師は「喉頭炎により腫瘤を形成した犬5 症例の臨床的特徴および病理組織学的検討」という演題で発表を行いました。活発な質疑応答があり、充実した学会発表となりました。

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