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学外実習のすすめ

講師 石原 慎矢(動物遺伝育種学教室)

 早いもので、新年度も2ヶ月近くが経ち、5月の連休も終わりました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。本学では、学生自身が行きたい実習先を自由に選択し、単位を取得できる学外実習があり、既に多くの学生から学外実習についての問い合わせをいただいています。学外実習は、知識や技術の向上だけでなく、価値観の広がりにもつながります。特に学生時代にしか得られない貴重な経験となるでしょう。ぜひ長期の夏休みを利用して学外実習に挑戦してください。

 私は研究室訪問をしていた際に、国際的な動物保全に関わる研究をやってみたいと相談しました。恩師であるその研究室の先生から、フィリピンでの希少野生水牛タマラオに関連するプロジェクトがあるというお話をいただきました。私はこのような貴重な機会を逃すわけにはいかないと思い、ぜひ参加したいとお願いしました。結果として、現地での調査に2週間ほど同行し、卒業研究に関連するサンプリングなどを行いました。これが私の初めての海外経験でした。電気も水道もない山奥でのフィールド調査は困難を伴うものでしたが、すべてが新鮮で私の価値観を大きく広げてくれました。同時に、動物に関わる仕事には様々な知識や技術が必要であることを実感し、自分自身の勉強不足も痛感しました。

▲フィールド調査で観察した野生水牛タマラオ

 また、学生の頃にはオーストラリアで開催されたミートジャッジング競技会にも参加しました。この競技会は食肉産業全般について学び、食肉格付けの技術を競うものです。ワークショップを通じて現地の畜産学に関わる学生と交流したり、オーストラリアの畜産についてのセミナーに参加したりすることで、非常に貴重な経験を得ることができました。その後、私は日本国内でのミートジャッジング競技会の設立にも関わり、現在も毎年開催されています。

 フィリピンでの現地調査に参加するような機会はなかなかめぐってきません。しかしながら、例年、本学からさまざまな学外実習先に学生たちが参加しています。昨年、私もオーストラリア実習の引率として参加しました。先に述べたミートジャッジング競技会には、毎年本学の学生が参加しています。それ以外にも、牧場や動物園などさまざまな場所への実習が長期休みを活用して行われています。コロナの制限も緩和され、段々と制約が減ってきました。若い皆さんには、ぜひ新しいことに挑戦し、知識、技術および価値観をアップデートしていただきたいと思います。

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