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博物館ニュース

【活動報告】「武蔵野動物観察隊3 どこの羽?どんな羽?」に講師として参加しました

(更新日2022.12.14)

 2022年11月19日に実施された武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館主催のワークショップ「武蔵野動物観察隊3 どこの羽?どんな羽?」に、当館のスタッフが講師として参加しました。このイベントは武蔵野ふるさと歴史館が実施している「むさしの発見隊」の一環として行われたもので、当館スタッフが講師役を務める「武蔵野動物観察隊」としては3回目のイベントとなります。これまでの武蔵野動物観察隊では、当館や武蔵野ふるさと歴史館を会場としていましたが、「野鳥の羽」をテーマとした今回は、井の頭恩賜公園で武蔵野動物観察隊としては初となる野外観察を行いました。

 野鳥はイベントの対象者である子どもたちにとって身近な存在です。学校の行き帰りや公園などで野鳥の羽を目にする機会も多く、思わず拾いたくなるかもしれませんが、野鳥の羽の扱いや観察にはコツがあります。特に、鳥インフルエンザへの緊張が高まるこれからの時期は、正しい情報に基づいた適切な対応が必要となります。そこで今回のイベントでは、衛生面での注意事項を説明した上で、子供たちと一緒に野鳥の羽の採集・洗浄・観察を行うこととしました。

▲イベント開始時の様子。
スタッフが自己紹介の後、野鳥の羽を採集するうえでの注意事項を説明しました。


 イベント当日は武蔵野市内在住・在学の小学1~3年生10名と保護者の方10名の合計20名に参加していただきました。まずイベントの導入で衛生面の注意事項を伝え、全員に使い捨てのビニール手袋を配布しました。全員が手袋を装着してから、羽探しのスタートです。羽が1枚も拾えなかった場合も想定していましたが、イベント直前に猛禽類に襲われたと思われるキジバトの羽の痕跡が見つかったことや、子どもたちが熱心に羽を探してくれたこともあり、全員がたくさんの羽を拾うことができました。また、直前の下見の際に井の頭池のほとりでカワウが繁殖していることが確認できたため、子どもたちに双眼鏡を配布してカワウの観察も行いました。複数のカワウがかわるがわる巣材となる枝を木に運び込む様子に、子どもたちも歓声を上げていました。

▲切り株のそばにキジバトの羽がまとまって落ちていました。
赤い○で示した部分に羽が落ちているがわかるでしょうか?


▲たくさんの羽を拾うことができました。


▲池に来ていた水鳥の観察も行いました。


▲双眼鏡を使ってカワウの巣作りの様子を観察しました。


 その後は、会場を御殿山コミュニティセンターに移し、羽の洗い方や観察のコツを伝えました。羽の洗浄では、一般の家庭でも用意ができる道具として中性洗剤とたらい(使い捨てのプラカップ)を紹介し、一人一人が採取した羽の洗浄にチャレンジしました。洗浄後は、水で濡れた羽をドライヤーで乾かしてから羽の観察を行いました。羽の観察では、野鳥の羽を「体の羽」「翼の羽」「しっぽの羽」の3種類に分け、会場に持参した当館所蔵の野鳥の剥製を見せながらそれぞれの違いを紹介し、自分が拾った羽がどの羽なのかを考えてもらいました。拾った羽によっては違いが分かりにくいものもありましたが、子どもたちは保護者の方と相談しながら、自分の意見をしっかりとまとめていました。

▲スタッフによる洗い方の説明を聞いた後、一組ずつに分かれて公園で拾った羽を洗いました。


▲剥製を使って羽について解説をしました。


 イベント終了後のアンケートによると、参加者全員にご満足いただけたようです。COVID-19の感染状況を踏まえながら、今後は当館主催のワークショップも開催し、より多くの方に野生動物の魅力を伝えていきたいと考えています。
 最後になりましたが、今回参加してくださった皆様、このような場を提供してくださった武蔵野ふるさと歴史館の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

(学芸員 石井奈穂美)