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【活動報告】「武蔵野動物観察隊4 野鳥の羽でグッズ作り」に講師として参加しました

(更新日2023.12.12)

 2023年11月19日に武蔵野市教育委員会主催のワークショップ「武蔵野動物観察隊4 野鳥の羽でグッズ作り」が当館を会場に開催されました。武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館(以下、歴史館)との連携事業の一環として、当館スタッフ2名がワークショップの講師を務めました。

▲会場の様子:博物館作業室に剥製と机を並べ、会場として活用しました

 歴史館と当館の連携は2018年に始まりました。2019年7月には「武蔵野動物観察隊 ~博物館で武蔵野の動物をスケッチしよう~」というタイトルで地域の子どもたちを対象としたワークショップを実施し、以降毎年内容を変えながら連携ワークショップを開催しています(2021年・2022年はコロナ禍のため中止)。今年度のワークショップの実施について検討をしている段階で、歴史館のスタッフの方から「これまでの連携ワークショップでは武蔵野市に在住・在学の小学生を対象としていたが、今年は地域の中学生が自然に親しみを持てるようなワークショップにしたい」との相談を受け、「武蔵野動物観察隊」としては初めての、中学生も対象に含めたワークショップを実施することになりました。ワークショップの内容としては、身近な野鳥に親しみを持ってもらうことを目標に、野鳥の羽や剥製を観察しながら、野鳥の羽を材料にしたグッズを作ることにしました。

 参加者を募集した時点ではワークショップの対象者を「市内在住・在学の小学5~6年生および中学生10名、定員を超えた場合は中学生を優先に抽選」としていましたが、10名以上の中学生からの応募が集まり、ワークショップ当日は抽選で選ばれた9名の中学生が当館に集合しました。事前準備として、ワークショップの会場に武蔵野市でも見ることができる身近な野鳥5種(カラス・ムクドリ・キジバト・ドバト・カワウ)の羽とそれぞれの剥製を、種名を隠した状態で机に並べておきました。

▲前の机の上には野鳥の羽が入ったケースが置かれています

 使用した羽は、当館のスタッフが野外で採取して洗浄したものです。参加者には、野鳥の羽を手に取りながらお気に入りの2枚を選んでもらい、選んだ羽がどの鳥の羽なのか、剥製を観察しながら考えるクイズに挑戦してもらいました。クイズの答え合わせでは、スタッフが剥製や翼標本を掲げながら、各剥製の種名や羽の特徴を紹介しました。

▲羽を選ぶ参加者

▲自分で選んだ羽と剥製を見比べながら、自分の羽がどの鳥の物なのかを考えてもらいました

▲剥製を手に持ちながら、解説をするスタッフ

 導入のあとは、選んだ羽を材料にしてグッズ(ピンブローチ・ハットピン)を作製しました。グッズは、専用のピンにビーズを通したのち、羽をピンに固定して作ります。参加者は、羽の色や剥製の姿からインスピレーションを得て、思い思いの作品を作っていました。完成後は、全員が作製したピンを剥製の前に並べ、ミニ展覧会を実施しました。

▲参加者を2グループに分け、それぞれにグッズの作り方や道具の使い方を説明しました

▲選んだ羽をピンに固定する様子

▲作製したピンを台座に刺し、参加者全員に見えるように掲げるスタッフ

▲今回観察した剥製の前に、全員が作製したピンを並べました

▲作製したピンの一例:キジバトの羽を材料に、個性的な作品を作り上げました (個人名が特定できる部分にぼかしを入れてあります)

 ワークショップの最後には、野鳥の羽を扱う上での注意事項(羽の拾い方、洗い方、鳥インフルエンザに対する対応)を伝え、イベント終了後には希望者を対象に博物館の展示室を案内しました。今回のワークショップでは野鳥の羽を取り扱いましたが、展示室には武蔵野市でも見ることができる、タヌキやハクビシンなどの身近な哺乳類の剥製も展示しています。展示室を見学した参加者は、興味深そうに剥製を観察していました。

▲ワークショップ終了後、希望者に展示室を案内しました

 イベント終了後に配布したアンケートでは「野鳥の羽やはく製を観察してもらいました。関心をもっていただけましたか?」という質問に対し、参加者全員に「はい」と回答していただくことができました。また、全員から「イベントが楽しかった」との回答をいただくことができました。グッズ作りを通じて楽しみながら野鳥に親しむという今回の目的が達成できたようで、とても嬉しく思います。

 最後になりましたが、今回参加してくださった皆様、このような場を提供してくださった武蔵野ふるさと歴史館の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

(学芸員 石井奈穂美)