食料自然共生経済学教室 Research and faculty introduction

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研究室紹介と研究内容

 食料自然共生経済学教室は、「食と農、自然と動物」が共生できる豊かな社会の創造を目指して、次の3つの柱をたてて研究を行っています。これらについて研究が進んでいるEUとの比較研究にも力を入れています。

  • [1]アグリフードシステム論:農業生産から食品流通・消費までをトータルにとらえ、日本とEU等海外の比較を通じてあるべき政策を考える。
  • [2]農村環境保全・地域資源管理論:農業生産、農村社会の発展と野生動物保全を両立する取り組みや支援制度のあり方について、地域比較を通じて考える。
  • [3]人と動物の関係論:アニマルウェルフェアの概念を踏まえ、動物の福祉と人間との共生システムを開発する。

 研究室行事として、毎年長野県飯島町で1~2泊のゼミ合宿を行っています。原則全員参加です。年によっては田植えや稲刈り、リンゴ収穫にも出かけています。2つのアルプスが見える飯島町は、稲作や果樹生産がさかんであり、自然と野生動物の豊かな地域でもあるため、これらに関心を持つ学生の卒論研究にも役立てています。
 学園祭では、よつ葉乳業株式会社および共同購入グループの一般社団法人よつ葉会のご協力を得て、3年生が中心となり、よつ葉チーズを使ったメニューを模擬店で提供しています。
 また、アニマルウェルフェアに配慮した乳製品やお肉などの農畜産物の試飲・試食とアンケートを行い、報告書を作成することもあります。

教員紹介

桑原考史
  • 氏 名桑原 考史 准教授
  • 学 位博士(農学)(2008年東京農工大学)
  • 専門分野農業経済学
  • 担当科目農業資源経済学、人間動物関係論実習、食料・農業・農村調査実習
研究者情報

Close-Up「研究」

最近力を入れている研究の1つがアニマルウェルフェア研究です。アニマルウェルフェアとは動物の健康と福祉のことです。
日本においてはアニマルウェルフェアという考え方はまだほとんど知られていませんが、EUでは、農業政策や食料政策において、重要な位置を占めるようになってきました。特にBSEの発生以降、畜産動物の健康と福祉が、人の健康にも大きな影響を与えることが解明され、それまでの畜産動物の扱いを反省し、畜産動物の健康と福祉に配慮した飼育方法の導入が進んでいます。こうした動きはEU市民の求めるものであり、市民の力が、EU各国の政策だけではなく、EU政府の政策をも大転換させています。
アニマルウェルフェアの取り組みはEUの中でも特にイギリスにおいて20世紀初頭から法律が制定されるなど長い歴史があり、また様々なNGOによる先駆的活動と研究の蓄積があります。
そのため私も、EU各国の研究者やNGOと一緒にイギリスやヨーロッパ各国の現地調査を行なったり、国際会議に出席することがあります。さらにそこで得た成果を日本の現状改革に生かせるように、日本の研究者だけではなく先駆的な企業やNGOと連携した研究会活動を行っています。

学生からの一言

井出 貴宏(動物科学科4年次)

ここの研究室の特徴はフィールドワークが多いところです。私は3年時に行う「一人一研究」にて山地酪農と中山間地域をテーマにして研究を行いました。
この研究で私は岩手県や北海道などで山地酪農を実践している農家で実習をさせてもらい、また様々な放牧酪農家を回り話を聞くなどし積極的に外部での活動を行いました。
このようなフィールドワークのほかに、学内でも関連文献を読み室員それぞれが発表を行う読書ゼミや外国書を読み英語力を高める英語ゼミを行うなどしており、大学の内外で多くの知識・教養を身に付けられます。

杉崎 朋美(動物科学科4年次)

私は「人と動物の共生」に興味があり、この研究室を選びました。直接結びつかなくても、間接的に結びつく勉強などができるため、毎日が勉強です。
また、長野県の飯島町に自分達の田んぼを持っており、学祭で販売するお米は毎年好評です。他の研究室とは一味も二味も違う研究室なので、本当に面白い研究室となっています。フィールドに出ての勉強が好きな人にはもってこいの研究室です。

橋本 彩花(動物科学科4年次)

私がこの研究室を選んだのは、人と自然や動物との共生に興味があったからです。
また、他の研究室とは違って実際に現場に出て自分の体で体感できるイベントが多いこともこの研究室を選んだ理由の1つです。自分のやりたいことが決まっていて、どんどん外に実習などに行きたい人にとっては最高の研究室だと思います。

集合写真