8月22日から9月22日の5週間にわたり、家畜人工授精師、体外受精ならびに受精卵移植師の講習会が実施された。実家で黒毛和種の繁殖牛と肥育牛を飼育しており、卒業後家業を継ぐことを決めている私は、繁殖牛を経営していくなかで人工授精師の資格が必要となってくるため、本講習会に参加した。
講習会では人工授精師だけでなく、体外受精卵ならびに体内受精卵移植師の資格も取得できる。
講習会で一番印象に残ったのは、体外受精実習での顕微鏡を使った卵子操作であった。初めてピペットを操作し、おぼつかない手つきで卵子を操作していたが、講習会の終盤には少しはまともに卵子を扱え、検卵することができた。普通、雌牛の体内で起こる受精から着床までの生命誕生の過程を自らの手で行い、自身で観察できた時はすごく感動した。
現時点で、実家での体外受精はかなり困難ではあるが、将来的には自分で受精させた卵を移植して子牛を産ませてみたいと思った。講習会受講前は人工授精ができれば良いと考えていたが、講習会を終えた今、体外受精や受精卵移植についてさらに理解を深めたことで、視野が広がり牛繁殖に対しての意欲がより強くなった。実家での牛生産・飼育・管理に携っていく上で、今回の講習会で学んだ事をフル活用してより良い牛を生産していきたい。最後に、本講習会では本学教員をはじめ、学外講師の先生からも様々なことを教えて頂き、深く感謝いたします。
私の実家は飛騨牛を肥育する専業農家であり、幼い頃から将来は畜産に関わる職業に就きたいと常々考えており、本学に入学したのもこの理由からだった。今回、家畜人工授精師資格取得の講習会に参加したのは、目標としている資格の1つだったからだ。
実際に講習会を受講して、「生命」の始まりを自らの手で生み出すこと(体外受精)に、専門資格の奥深さ、難しさ、重要性を感じた。この講習会では、顕微鏡下で特殊な器具を使って小さな卵子を検査したり、精子の濃度や運動性を計測・観察したり、精子や受精卵の凍結保存・融解を実践したりと、盛り沢山の実習が組まれており、いずれも充実した内容であった。
なかでも実際に生体牛を相手にした直腸検査や精子注入器操作の実践的な練習では、なかなか思う(講義で学び、イメージした)ようにはいかず、技術の難しさを実感した。しかし、(牛の状態を確認しながら)何度も積極的にチャレンジしていくことで徐々にではあるが、手探りでも黄体を確認でき、注入器を子宮内まで挿入することができた。この巧くできた感覚(子宮頚管〜子宮体に注入器を通す感覚)を忘れないようにしたい。最後に、本講習会では本学教員をはじめ、学外講師の先生からも様々なことを教えて頂き、深く感謝いたします。