今回、千葉県いすみ市大原にて伊勢海老漁を営んでいる方に協力いただき、環境と産業など多方面への応用力向上とともに、漁業を通じて水産業と自然環境保全への活動について学習したいと考えてインターンシップに参加しました。
インターンシップを始める前日には、大原漁港のすべての生簀が伊勢海老で埋め尽くされ、予備の生簀も追加され、過去の伊勢海老漁業量の約10倍に上りました。大和丸では70kg、全体では4tという記録になりました。このため、環境保全や今後の漁獲量維持のため一時船止めとなりましたが、対風雨や天候との兼ね合いも踏まえた上で再び漁が再開されました。
一方、海藻類のゴミも多く、稚エビも減少し、抱卵している個体が多くみられたということを教えていただきました。近年では、北風により海が荒れ、普段は真潮なのに海流が逆潮になっていて、実習中も北西からの風が多く、北風が吹くと海水温が上昇し、南風の場合には下がります。このような不安定な環境下で伊勢海老の漁獲量も減少している中、前述のような漁獲量は異例だと伺いました。実習中には伊勢海老のほか、サザエ、ワタリガニ、カワハギ、ドチザメ、ヤドカリ、真鯛、タカノハダイ、シタビラメ、アカエイなどが水揚げされました。さらにはウミガメも網にかかることもありましたが、無事救出できました。
今回のインターンシップにて強く認識できたこととして、地球温暖化による海水温上昇とそれによる水産動物の北上化によって、現在の漁業は厳しい状況にあり、また、人手不足や十分でない山の手入れが降雨時の山から流れ出る水の水質を悪化させる懸念があるということでした。
今後大切になってくることは、陸と海の関連性やその影響についてさらに理解を深め、日本の漁業やその関連産業を守っていかなければならないことであると改めて感じました。