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動物飼育管理実習の実習先を選ぶにあたって

3年次 山内 奏水(食料自然共生経済学教室)

 大学生活も3年目になり、必修の動物飼育管理実習の実習先を考えなければならなくなりました。動物飼育管理実習とは「動物の飼育現場において10日間以上の動物の飼育実習を行う」という実践的な授業科目です。大学1年から3年前期までの講義・実習で得た知識や経験を、実際の動物飼育現場で体験し、より身近なものにするという総仕上げの実習で、卒業後の進路を決める上で土台となる実習でもあります。

 周りには春休み中に実習を終わらせた友人や実習先が決まっている友人もいて、実習先が決まっていない状況に焦りが出てきました。

 初めに候補にした実習先は受け入れ実績が豊富な北海道の牧場で、担任の先生が募集しており、友人と行こうかという話が進んでいました。しかし友人と行ける牧場は限られており、また友人が体調を崩してしまったこともあって調整がつかず、その間に実習枠が埋まってしまいました。こうなると再び自分で実習先を探さなくてはいけません。

 すでに実習を終えていた友人に相談すると、友人の実習先は私の自宅から毎日通えるほどの距離で応募も簡単にでき、スタッフの方は優しくて楽しかったとのことで非常に魅力的でした。しかし2週間も行くのであれば、友人の評価に頼るのではなく、自分が楽しい、行ってよかったと思えるところに行かなければ損なのではないか、そう思うようになりました。

 私は好きな動物は何かと聞かれれば「犬」と即答する程の犬好きで、犬と関われる実習をやりたい!と強く思いました。そこで安直ですが「大学 動物実習 犬」というような検索をかけて、犬と少しでも関われるような実習先を探しました。動物関連の実習先を探してみると牧場や動物園などが本当に多く、犬と関われる実習先はほとんどありませんでした。盲導犬や聴導犬などの育成施設は犬と関われる実習先の定番ですが、募集時期が早いため間に合いませんでした。

 多々ある検索結果を闇雲に探す中、なんとか実習先を見つけることができました。群馬県前橋市にある「マシュマロパンダ」という施設です。マシュマロパンダは犬を含む様々な動物がいるアニマルカフェですが、カフェと言っても自由に飲めるドリンクがある程度で、ふれあいのできるペットショップという方がイメージしやすいかと思います。実際に犬猫や爬虫類、小動物の販売も行っていました。このような施設が実習を募集しているのは珍しく、犬にも関われるということですぐに応募しました。初めて訪れる遠方の施設での実習には不安もありましたが、犬がいれば頑張れる、そう思いました。

 実際に行ってみると社長、店長、スタッフの方々が想像以上に年齢が近く、とても馴染みやすい環境でした。実習内容は接客が多かったものの、お客さんがいない時には動物を触り放題で、多種多様な動物について学ぶことができ、充実した時間を過ごすことができました。社長と店長の計らいで、マシュマロパンダの関連施設の見学もさせていただきました。

 動物の飼育管理と言えば牧場や動物園などのイメージが強いかと思います。実際に私の周りでは牧場や動物園に行った友人が多く、マシュマロパンダでは日獣の動物科学科からの実習生はこれまで来たことがなかったようです。しかし私と同じように、犬猫や小動物に関係した施設で実習をしたいという方もいると思います。マシュマロパンダは私にとって理想的な実習先でした。皆さんも周りの人々に流されず、自分の行きたい、やりたいと思える場所で実習をしてほしいと思います。

 本稿が皆さんの動物飼育管理実習を充実させる上で、少しでもお役に立てたら幸いです。最後に、実習を快く受け入れてくださったマシュマロパンダの皆様に心よりお礼を申し上げます。

【「動物飼育管理実習 」シラバス概要】

    授業のねらい

  • 長期休業期間を利用し、国内外の牧場、畜産関係試験研究機関、水族館、動物園等で動物の飼育実習を通して、専門的な見識を広げる。

  • 到達目標

  • 「動物を安全・効率的に生産して育てる」ため、飼養管理、繁殖、育種改良、衛生、飼料生産・給与、生産物保存、経営管理がどのように活かされているかを体験する。自分の卒業後の進路をイメージする。

  • 授業形態

  • 実習先の指示による動物飼育現場における実習。

  • 概要・スケジュール

  • 2年次2月以降の長期休業期間を利用して、「動物飼育の現場」において実務10日間以上の動物の飼育実習を行う。
    目安として、最初の5日目は実習受け入れ先の体系を学ぶとともに、技術を習得する。そして5日目以降は、学んだ知識や経験を生かし、スキルアップに励む。動物飼育実習を通して、自身の進路をより具体的に考える機会にもなる。実習先は飼育など広範囲にわたる。

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