教授 有村 裕(動物生体防御学教室)
今年の年末年始はぼ〜っとテレビを見て過ごしました。
「孤独のグルメ」の年末と年始の一挙放送を見て、さらに2日と3日には「箱根駅伝」も見ました。ぼお〜っと見ながら、ふだん考えないことに思いを馳せたりします。
同様のことは体調不良で仕事を休んだ時にも起こります。
コロナで発熱した時など、最初は熱で苦しいですが、しばらく経つと熱が下がって、でも抗原検査が陽性だと休まざるを得なくなり、こんな時はぼ〜っと余計なことを考え始めます。長い間、放置していたことを思い出したり、全く新しい研究を思いついたりします。思考の跳躍というか、軌道修正したり、セレンディピティに出会ったりです。
写真は、2024年7月にコロナの抗原検査で陽性になった時のもの
近年はタイパ(タイムパフォーマンス)を求める時代だと聞きます。なるべく最短距離で何かの目標に向かうのがベストとか、目標から逆算して考えるような価値観もあります。もちろん受験などのように、一心不乱に取り組むのが必要な時もありますが、受験浪人や、大学での留年なども、考えようによってはチャンスと捉えることも出来ます。
暇な時間を想像して思い出すものとしては、欧米の大学に昔からあるサバティカル制度です。日本でも導入した大学が増えているようですが、5〜7年勤務したら1年くらい本務を離れて何かの研修ができるような制度です。教員にとっての充電期間であり、本学にないので羨ましいです。
こういった余白の時間に、いつもとは違うアンテナを立てて新たな視点が増えたり、失われがちな活力を取り戻したりすることで、その後の過ごし方が変わります。タイパとは対照的に急がば回れという方式です。つぎに熱を出して寝込むのはいつなのか?体調管理を怠らないようにしつつも期待せずに、その時を待ちたいと思います。