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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

【新着論文】がん幹細胞研究は犬の乳腺腫瘍の腫瘍発症機構の解明に必要不可欠である!

論 文 名:
Understanding of tumourigenesis in canine mammary tumours based on cancer stem cell research
和訳)がん幹細胞研究を基盤とした犬の乳腺腫瘍の腫瘍形成の理解
著  者:
道下正貴(獣医学部獣医学科 獣医病理学研究室)
掲載雑誌:
The Veterinary Journal, 2020 265: 105560
Elsevier
Open access
DOI:10.1016/j.tvjl.2020.105560
研究内容:
 犬の乳腺腫瘍は雌で高頻度に発生する腫瘍であり、ヒトや猫の乳腺腫瘍とは異なり、複雑な組織を形成します。乳腺腫瘍は一般的に乳腺上皮細胞が腫瘍化しますが、犬の乳腺腫瘍では、乳腺上皮細胞の腫瘍性増殖(単純タイプ)に加え、筋上皮細胞の腫瘍性増殖(複合タイプ)、さらに骨・軟骨細胞の腫瘍性増殖(混合腫瘍)がみられます。しかし、それらの腫瘍発症メカニズムは未だ明らかになっていません。乳腺組織は組織幹細胞を頂点とした階層構造(図1)からなっており、犬の乳腺腫瘍においても幹細胞の特性を持つ“がん幹細胞”を根源とする階層構造の存在が示唆されています。著者は、これまで犬や猫の乳癌の根源となるがん幹細胞を同定し、それらの特性解析を行っています。本論文は、これまでの研究成果をもとに、犬乳腺腫瘍におけるがん幹細胞の同定法、犬の乳腺腫瘍の発症メカニズムの仮説(図2)、さらにがん幹細胞の細胞内代謝について記載された総説です。

▲図1 正常乳腺組織における階層構造

▲図2 犬の乳腺腫瘍の発症メカニズム

■研究者情報

・道下正貴(獣医学部獣医学科 獣医病理学研究室・准教授)