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【新着論文】香辛料はサバ干物から発生する魚臭を著しく抑制する

論 文 名:
Effect of various seasonings on quality retention of dried mackerel (Scomber scombrus Linnaeus)
和訳)サバ干物の品質保持における香辛料の効果
著  者:
小林史幸1、木村龍典2、青木良磨3、田村浩二2、小澤亮2、小竹佐知子1
1日本獣医生命科学大学応用生命科学部食品科学科食品工学教室
2dot science株式会社
3有限会社魚伝
掲載雑誌:
Journal of Food Processing and Preservation, e15476, 2021.
doi.org/10.1111/jfpp.15476

研究内容:
干物は魚介類を乾燥させることで適度に水分を抜いた食品として世界中で食されています。しかしながら、日本において干物の生産量・消費量は減少しており、魚食自体が年々減っています。そのため、これまでにない干物の食べ方を提案することは干物の利用拡大のためになります。香辛料は古くから肉や魚の抑臭や香り付け、淡白な食材にアクセントを加えるためなどに用いられています。そこで本研究では、黒七味およびチョリソ味に調合した粉末香辛料を用いて加工したサバ(Scomber scombrus Linnaeus)干物の品質評価を行いました。その結果、これらの粉末香辛料をサバ干物の加工に用いることで魚臭の原因物質であるアルデヒド類の発生を著しく抑制することがわかりました。この要因は、黒七味およびチョリソ味の粉末香辛料が高い抗酸化力を有するため、サバ表面の脂質酸化を抑制したことによると考えられます。このような粉末の調味料を用いた干物の加工は今までになく、新しい干物加工の発展が期待されます。
本研究は、dot science株式会社(https://foodvisioning.science/)および有限会社魚伝(https://www.uoden-himono.co.jp/)との共同研究により実施しました。

■研究者情報

小林史幸(応用生命科学部食品科学科 食品工学教室・准教授)
小竹佐知子(応用生命科学部食品科学科 食品工学教室・教授)

■関連ページ

dot science株式会社
有限会社魚伝