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牧場だより「継・いのち」 第163号 | 獣医学科3年次動物衛生学実習(牧場実習)を終えて
第163号:獣医学科3年次動物衛生学実習(牧場実習)を終えて
田中良和(疾病予防獣医学部門 衛生・公衆衛生学分野 准教授)
2016/08/03 更新
去る7月11日より14日まで、3年次の動物衛生学実習を富士アニマルファームにて行いました。
動物衛生学実習は、5年次に実施する大動物臨床実習につながっていく基礎となる実習で、今後富士アニマルファームを利用する実習が毎年続きます。動物衛生学は、産業動物の疾病を予防し、生産性を向上させるための学問です。今回の実習では、牛、馬、豚、羊の衛生管理、飼養衛生管理に必要な、保定法、心音の聴診法、打診法、呼吸音の測り方、体温の取り方などの基本的な検査法について実践的に学びました。実際に生きた産業動物と触れ合うことによって、どうすれば動物を驚かせずに近づくことができるか、また、動物に対する自分の立ち位置などについて理解を深めることができたのではないかと思います。
朝夕には、畜舎管理(清掃、給餌など)や搾乳も行いました。これは一見、獣医師には関係のない仕事のように思われますが、畜舎管理や搾乳作業を間違った方法で行うと、動物疾病の発症に直結します。畜舎管理がうまくいっていないところでは、代謝病、蹄葉炎、感染症疾病が多発しますし、搾乳時の衛生管理が悪いと乳房炎が蔓延していまいます。これらの疾病の原因が何であるかを知ってもらうためにも、正しい畜舎管理や搾乳方法について知ることは大変重要なのです。
4年次にはさらに獣医繁殖衛生、獣医内科学的検査法、飼養管理(環境衛生も含む)を中心に実習を行う予定ですので、今回学んだ衛生管理の基礎知識が必ず役立つと思います。
学生の皆さんには、いろいろな将来の可能性を考え、今後も積極的に実習に参加していってほしいと思います。最後に、この場をお借りして吉村先生をはじめ牧場スタッフの方々、ご協力いただきました教職員の皆様に、心より感謝申し上げます。