獣医保健看護学科広報委員会
本年4月に獣医保健看護学科 基礎部門 生体機能学研究分野に着任された菅井 和久(すがい かずひさ)助教をご紹介します。菅井先生は本学科を第11期生として卒業された愛玩動物看護師です。本学大学院 獣医保健看護学専攻博士前期・後期課程に進学され、博士号を取得された後に、他大学の医学部で最先端の医学研究に携わってこられました。
はじめまして。4月より獣医保健看護学科 基礎部門 生体機能学研究分野に着任いたしました、菅井和久と申します。小学生の頃からネコと一緒に暮らしており、動物に関わることをしたいという思いから本学の獣医保健看護学科に入学しました。学生時代に所属した生体機能学研究分野での研究室活動を通して生体内で起こる現象の奥深さに興味を持つようになりました。また、研究室においてさまざまな経験をするなかで、まだ分かっていないことを明らかにするおもしろさに惹かれ、大学院へ進学しました。また、教職課程も履修し、教育に携わることへの関心も深めてきました。
この度、出身研究室に戻ってくるご縁をいただき、身が引き締まる思いです。獣医保健看護学の領域は今後さらに発展し、社会における役割もますます大きくなっていくと感じています。そのなかで、学生の皆さんの身近なロールモデルの一人となれるよう努力していきたいと思っています。
学生時代は、ネコにおいて死亡率が高い慢性腎臓病の予防と治療に関する研究に取り組んでいました。また、さまざまな病気の発症・進展に関与する酸化ストレスに着目し、抗酸化作用を有する水素ガスについても研究し、慢性腎臓病に伴う高血圧を水素ガスが軽減することを明らかにしました。水素ガスはさまざまな病気の治療や予防、健康の維持、運動など多くの分野で効果と安全性の検証が進められており、今後さらなる研究の発展と応用範囲の拡大が期待されています。大学院修了後は他大学の医学部で研究に従事し、水素ガスの抗酸化作用のメカニズム解明を目指した研究を行なうと共に、ヒト臨床研究にも関わる機会があり、ガスクロマトグラフ質量分析計など大型解析装置を用いた揮発性有機化合物の分析・解析も行なってきました。さらに、次世代人材育成の活動では高校生への研究指導にも携わり、学会発表に向けて一緒に試行錯誤しながら研究活動を進めてきました。
現在も水素ガスに関する研究を継続しています。また、「SDGs」の観点から、農業由来未利用資源の有効活用による健康促進を目指し、サツマイモ葉柄部やカボチャ種ワタの機能性解析にも取り組んでいます。
近年、「ワンヘルス・ワンウェルフェア」と「SDGs」の考え方のもと、ヒトと動物を取り巻く環境や価値観は大きく変わろうとしています。ヒトと動物が共に健やかに暮らすことのできる持続可能な社会の実現に向けて、動物の病気の予防やQOLの維持といった獣医保健看護学の視点から貢献していきたいと考えています。
学生の皆さんとは、日々進化する科学や変化する社会情勢に一緒に向き合い、楽しみながら成長していけたらと思います。勉強や研究だけでなく、将来について悩んだり考えたりする時間も含めて、気軽に相談できる存在になれたら嬉しいです。獣医保健看護学の領域は獣医臨床に留まらず、さまざまな分野へと広がる可能性を持っており、愛玩動物看護師の活躍の場も広がっています。学生の皆さんの将来の可能性や選択肢を広げられるよう、しっかりサポートしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
獣医保健看護学基礎部門 生体機能学研究分野
助教 菅井 和久
▲画像解析の様子
▲実験風景