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大学院獣医保健看護学専攻博士前期課程2年次 野澤重穂さんが日本野生動物医学会第29回において優秀ポスター賞を受賞しました!

獣医保健看護学応用部門 保全生物学研究分野 講師 嶌本樹

 <賞名>   日本野生動物医学会第29回大会・優秀ポスター賞
 <受賞者>  野澤重穂(獣医保健看護学専攻博士前期課程2年次)
 <演題>   匂いの世界を行動から紐解く:
        飼育下チーターのコミュニケーション行動に影響を与える要因の解明
 <指導教員> 山本俊昭・嶌本樹

 大型ネコ科動物のチーターは多くの方々がどのような動物かを知っていると思いますが、野生下での生息数は一万頭を下回り、保全が必要な動物です。私たちは匂い嗅ぎや匂い付けなどのチーターのコミュニケーション行動に着目し、彼らがどのようにして独自の社会を維持・構築しているのかを調査しています。
 本研究では、動物園で飼育されているチーターのコミュニケーション行動がどのような要因によって変化するのかを調べていますが、いくつかの動物園では展示される個体は時間帯によって異なり、一つの展示場を複数個体が共有しています。そのため、このような展示方法をしている動物園ではコミュニケーション行動が活発となっていました。また、行動を観察する個体の前に展示されていた個体がオスだったのか、メスだったのかによっても行動が変化することも発見しました。野生下での研究では、過去にどのような個体がいたのかを考慮することは非常に難しく、動物園ならではの環境をうまく活かしチーターのコミュニケーション行動を解明した点を評価されたと考えます。
 獣医保健看護学領域では、環境保全も視野に入り、人や伴侶動物だけではなく野生動物も健やかな暮らしを送れるような研究も実施しています。本研究のような動物園と連携した研究も環境保全へと繋がり、獣医保健看護学領域の発展に貢献することが期待されます。

▲受賞した野澤さん(右)と嶌本講師(左)

▲野澤さんが学会にて発表する様子

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