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臨床研究

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

犬の起源不明の髄膜脳脊髄炎(MUO)に対する脂肪由来間葉系幹細胞(MSC)投与の認容性および有効性評価
研究責任者:浅田 李佳子(付属動物医療センター)

≪臨床研究について≫

【臨床研究の概要】
起源不明の髄膜脳脊髄炎(MUO)は、若齢の小型犬に発生しやすい自己免疫性の炎症性疾患です。MUOは一般に予後不良の進行性疾患であると考えられています。
現在MUOの治療法の主流はステロイド(プレドニゾロン)等を使用した免疫抑制療法です。しかしながら、治療により長期の寛解状態(脳炎の症状が抑えられた状態)が得られる症例は少なく、一定期間の寛解が得られてもステロイド投与による合併症(副作用)の発生がしばしば生じるため、長期間のステロイド治療は継続困難なことがほとんどです。
そのため、ステロイドに代わる、またはステロイドの量を減らせる、より体への負担が少ない治療法の確立が望まれます。現在、MUOの新たな治療法の一つとして幹細胞を利用した治療法が研究され始め、少数例での治療効果が報告されています。本学付属動物医療センター神経科では、MUOに対する幹細胞治療の臨床研究を実施しています。

【研究期間】
2026年10月30日までの研究実施を予定しています。(ただし目標とする症例数に達した場合、期間を待たず研究を終了いたします)

【対象となる患者】
対象は以下のどちらかに当てはまる症例とさせていただき、受診時または問い合わせ時に研究参加が可能か判断させていただきます。

・MUOと診断され、免疫抑制治療を開始していない症例(発症初期症例)
・MUOの治療中であり、ステロイドの減薬が困難な症例(コントロール困難症例)

【費用について】
幹細胞治療は有効性および安全性が完全には明らかになっていないため、幹細胞の代金(幹細胞作成に関わる金額など)は請求いたしません。ただし、幹細胞の投与にかかる費用(静脈注射代金、入院費用など)、経過観察に必要な費用(再診療、血液検査費用など)は通常の診療料金を請求させていただきます。

【問い合せ先】
日本獣医生命科学大学付属動物医療センター
Tel: 0422-90-4000(受付)
メール: vet.clin.neuro.nvlu(@mark)gmail.com
担当獣医師:浅田 李佳子

* 原則として、治療開始前にご受診いただき動物の状態等を診察させていただく必要があります。早期に治療を開始するため、研究参加を希望される場合は診察予約前に臨床試験参加希望の旨をお伝えください。
* 本学付属動物医療センターは一般社団法人動物再生医療推進協議会へ「再生医療及び細胞療法実施施設」の届出を行っています。

【関連リンク】
浅田 李佳子(研究者情報)
浅田 李佳子(動物医療センタースタッフ紹介)