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富士アニマルファーム見学を通して

助教 前田 友香(動物栄養学教室)

 桜のはなびらが舞い散る季節はとうに過ぎ去り、若草の季節となりました。また、すでに1カ月が過ぎようとしていますが、新入生のみなさん日本獣医生命科学大学へご入学おめでとうございます。あたらしい生活に思いを馳せていることと思います。大学生でなければ経験できないことはたくさんありますので、勉学のみならず様々なことに挑戦して、充実した学生生活をおくってください。

 さて、今回は動物科学科新入生向けのオリエンテーションの一環で、4月18日に富士アニマルファームへ見学にいきましたので、そのことを紹介します。

 富士アニマルファームは山梨県南都留郡富士河口湖町に位置する本学の付属牧場で、牛をはじめ、羊、山羊、馬などが繋養されています。ここは学生に実習の場を提供すると共に、主に産業動物を使った研究の場も提供しています。昨年度には牧場隣接の宿泊施設である富士セミナーハウスが増築され、牧場に滞在しながらの長期間の実習や研究に対応できる体制が整備されています。さらに最近は、資源循環型の持続可能な家畜生産を実現するために、場内で生産された堆肥の一般販売を開始いたしました。大袋(20L)を400円、小袋(10L)を200円で販売しております。なお、この堆肥袋のデザインは学生が考えたもので、堆肥の袋詰めも学生の手によって実施しています。本学(武蔵野市)の紫雲門付近に無人の堆肥販売所を設置しておりますので、お越しの際にはぜひお立ち寄りください。

 話が横道に逸れてしまいました、オリエンテーションに戻します。今回の訪問は新入生に付属牧場に親しんでもらうことが目的で、教員の引率のもと約1時間かけて場内をくまなく散策しました。そして、各ポイントで課題を用意し、より深く農場と産業動物について学んでもらいました。もともと動物が大好きで本学に入学してきた学生がほとんどなので、動物とふれあいながら楽しく散策していました。

 産業動物は、人がその動物から畜産物を得て生活を豊かにする目的で飼養されています。そのため、費用対効果や生産効率を考慮した飼養管理が求められます。一方で、動物園の動物は、人が生き物の生息地や生態を学ぶ目的(厳密にはこれ以外にもあります)で飼育されていますので、自然環境下となるべく近い状態での飼養管理が求められます。このように「動物」と一言で言っても、人がその動物に求めるものによって動物の管理方法は大きく異なります。動物科学科で研究対象となる動物には、実験動物、展示動物、野生動物および産業動物と幅が広い特徴があります。新1年生は、各講義を通して自分がどの「動物」の研究に興味があるのか、これからの大学生活を通してじっくりと考えてほしいと思います。

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