【ニュース】Scientific Reports発刊10周年の編集委員セレクションに選ばれました
『福島第一原発事故後、周辺地域の野生ニホンザル血液で起こった変化』
- 論 文 名:
- Low blood cell counts in wild Japanese monkeys after the Fukushima Daiichi nuclear disaster.
和訳)福島第一原発事故後の野生ニホンザル血球数減少 - 著 者:
- 落合和彦1,2、羽山伸一3、近江俊徳2 他
- (1獣医学科・獣医衛生学研究室、2獣医保健看護学科・基礎部門比較遺伝学研究分野、3獣医学科・野生動物学研究室)
- 掲載雑誌:
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Scientific Reports, 2014 Jul 24;4:5793. nature publishing group
doi: 10.1038/srep05793
- 研究内容:
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2011年3月11日発生の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故から1年後の2012年4月に、事故現場から70 km離れた福島市で野生ニホンザルの血液を採取しました。これを、原発から400 km離れた青森県下北半島生息の野生ニホンザルの血液と比較したところ、幼若個体の赤血球・白血球・ヘモグロビンおよびヘマトクリット値が有意に低いことが分かりました。また、血液性状の値は筋肉中の放射性セシウム量と負の相関があることも明らかとなり、原発から70 km離れた土地でも、野生哺乳動物に放射線被ばくの影響が出ていることを示唆する結果でした。
この論文は2014年に発表したものですが、nature publishing groupが2021年に発表した「Scientific Reports 10th Anniversary」(創刊10周年記念)におけるCollectionのひとつである「Editors’ choice: 10th anniversary of the Fukushima Daiichi nuclear accident」(福島第一原発事故後10年)に選出されました。
■研究者情報
落合和彦 (獣医学部獣医学科 獣医衛生学研究室・准教授)
羽山伸一 (獣医学部獣医学科 野生動物学研究室・教授)
近江俊徳 (獣医学部獣医保健看護学科 獣医保健看護学基礎部門・教授)
