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牧場だより「継・いのち」 第31号 | 高大連携事業
第31号:高大連携事業
吉村 格(准教授/牧場長補佐)
2008/9/26 更新
長野県南安曇農業高等学校との高大連携事業の一環として、教諭の木船先生に引率された生物工学科3年の小原、小出、西館君が動物科学科2年次の農場実習に参加した。初めての契約に基づく受け入れということもあって現場では多少戸惑った部分もあったが、この事業の窓口である佐々木先生のやる気と実習担当の撫先生の配慮と参加学生の優しさも手伝って、3人の生徒達は牧場実習の作業の中にすぐに馴染んで融け込んでいった。
本学の学生達と一緒になって、早朝から夕方遅くまで立ちっぱなしで続く畜舎作業、初めて経験する産業動物に対する飼料給与や糞の除去、学生にとっても難しい搾乳やロープワーク、専門的な草地管理や牛学・馬学の実習、楽しかった緬羊の毛刈りや乗馬、さらには夜間に行われる講義など盛りだくさんの内容を体験してくれた。当初、果たして高校生の知識と体力で実習についてこれるだろうかと話題になったが、我々大人の心配は全くの杞憂に終わった。
武蔵境の水で洗練された学生達の顔つきよりも少し幼いからといって舐めてはいけない。若さよりも青さに近い新鮮さ、どこでもだれとでも対応しようとする折れるかもしれない柔軟さ、疲れを知らない体力で壊れることを恐れない直向きさ、指示されたことはしっかりやり抜く自分の怠け心に与しない頑固さ、知らないことが恥ずかしいことではないと知っていて質問してくる無邪気さなど、既に二十歳を過ぎた学生にはない魅力である。さらに暗くなると目が冴えてくる学生達と違って、夜は寝なきゃいけないことを信じて疑わない高校生達の体力・気力は最終日まで充実していた。
ともあれ富士アニマルファームでの実習が彼らの未来の夢を紡ぐための体験になったのであれば幸いである。三つ巴で互いに刺激を受けながら素晴らしい実習になったと思う。
「ガンバレ、高校生」「負けるな、大学生」「へたばるな、教員」。