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牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第161号:着任のご挨拶と自己紹介

三浦 亮太朗 (臨床獣医学部門 治療学分野II 助教)

2016/06/30 更新
 はじめまして。4月1日付で本学の獣医学科 臨床獣医学部門 治療学分野II 産業動物臨床学研究室の助教として着任いたしました、三浦亮太朗です。はじめに私の経歴について簡単ではありますが、紹介させていただきます。私は、2011年に北海道は十勝平野の真ん中に位置する帯広畜産大学 獣医学科を卒業後、同年の4月から岐阜大学大学院 連合獣医学研究科 博士課程に進学しました。大学院在学中は乳牛の繁殖管理業務に携わるとともに、ウシの卵巣生理学の研究で2015年に博士(獣医学)の学位を取得しました。2015年4月から1年間、茨城県つくば市にある農業・食品産業技術総合研究機構の動物衛生研究所に特別研究員として、ウシの発情および排卵時期の予測に関する研究に携わっておりました。上記の通り、私は大学生の頃から現在に至るまで一貫して牛に関わる研究および飼養管理業務等に携わってきました。簡単に申せば、私はウシが好きで、それに関わる仕事を行ってきただけなのかもしれません。そして、縁あって産業動物臨床の教育および研究を中心に行う教員の一人として日本獣医生命科学大学に着任することとなりました。
 私が所属する産業動物臨床学研究室は設立してから3年目であり、獣医学科内では最も若い研究室となります。昨年度までは山田先生がお一人で研究室を運営されていましたが、今年から、水谷先生そして私を加えた3人体制での運営となり、研究室としての教育・研究活動が本格化することになります。本学は武蔵境駅から徒歩2分の東京都のほぼ真ん中に位置しており、帯広とつくばに合計11年住んでいた私からすると大都会であります。そして、私が研究の対象としていた牛の存在を全く感じない環境であり、牛に囲まれた生活が当たり前だった私には、大変革であったといっても過言ではありません。また、ここ10年ほどの間の全世界的な流れとして、食の安全・安心、口蹄疫や鶏インフルエンザといった家畜伝染病など、畜産に関わる様々な問題が浮上してきており、産業動物に関わる獣医師の育成強化および産業動物を対象とした研究は非常に重要であると考えます。そのため、本学着任前は東京の大学で産業動物臨床の教育および研究がどれほどできるのか、不安に感じたこともありました。
 そんな私にとって、富士アニアルファームの存在は大きなものでした。山梨県に位置するこの牧場は、乳牛と肉牛合わせて80頭(平成28年5月1日現在)を有し、実際に、一般の酪農家と同等のレベルで乳生産も行っているため、このような施設を利用することは、現場での応用を目指した研究の遂行のみならず、学生の実習環境としても非常に価値のあることであると考えます。また、近隣には、長期の実習に対応するための研修施設も完備しております。学内および学外の様々な産業動物を対象にした実習を受け入れており、本学にとってなくてはならない重要な施設です。加えて牧場長であられる吉村格 教授をはじめとするスタッフの方々は、牧場業務や牛の扱いに習熟していて、とても心の広い方々ばかりで、教育および研究活動を行うにあたっては、非常に親身になってサポートしてくださっており、ただただ感謝の気持ちで一杯です。皆様の存在なくして、本学のこれからの産業動物教育は成立しないと強く感じます。
 以上、稚拙な文章ではありましたが、着任のご報告とご挨拶をさせていただきました。今後とも何卒よろしくお願いいたします。