私の所属する産業動物臨床学教室では今回、富士アニマルファームにて味戸准教授、三浦助教のご指導のもと子牛の去勢手術を行う機会をいただきました。手術は全身麻酔で子牛を横たえた状態で行いました。陰嚢を切開し、精巣を露出させたあと、精索を結紮、切断しました。
私は今まで自ら手術を行った経験はほとんどなく、去勢手術に関しては初めてでした。手術手技や精巣周囲の構造などを事前に勉強はしていたものの、うまくできるかどうかわからず前日から不安と緊張を抱いていました。先生方の指導があったためやり遂げることができましたが、切開時の力の入れ具合など事前の勉強だけでは分からなかったこともあり、実際に経験を積むことの大切さを感じました。
去勢は肉質の向上や性質の温順化を目的に行われるもので、将来産業動物に関わる仕事に就くとなるとこのような手術を行う機会がたくさんあるかと思います。今回そのような経験を学生のうちから実際にさせていただけたことで、今後の勉強や実習に対してより一層真摯に取り組みたいと感じました。このような貴重な機会を設けて頂いた牧場スタッフの方々、ご指導いただいた先生方に感謝いたします。
去勢手術を吉村牧場長から提案して頂いた時はとても嬉しく思いました。経験を積むことで自分の成長に繋がりますし、やってみたいという思いがふつふつと湧くのを感じました。
去勢の当日、この日は東京でも雪がちらつく様な寒い日で、私は若干手が悴んでいました。去勢の仕方については事前に研究室の先生方から資料を頂き、話も伺っていたのですが、術中はうまく手に力が入らず少し苦労する場面もありました。手間取りはしましたが、先生方や先輩方が補助して下さったおかげで少しずつ次の手順へと進み、最後まで終えることが出来たので安堵しています。牛の状態にも今のところ異常はない様子です。
手術を行う日の前夜は糸の結び方の確認や資料の見返しをしていましたが、実際はあまりイメージを掴めていなかったので当日の道中は少し不安を感じていました。しかし施術を終えて、今では自信がついたように感じます。
貴重な機会をこの度設けて頂いたことと、サポートして下さった先生方および先輩方に心より感謝しています。今回、一度経験したことを忘れずに次のステップへと確実に繋げていくことを目標にしたいと思っています。