令和最初の富士アニマルファーム実習を「獣医保健看護学体験実習」という形で5月13日から17日までの5日間、実施させていただきました。本実習の目的の一つとして「入学後、早期に現場で働く皆さんの息吹に触れること:Early Exposure」の必要性・有効性を掲げております。しかし、知識・経験もこれからの1年次での開催ということもあり、オリエンテーション的な側面を見失わぬよう、配慮しての実施となります。途中、天候不順により少々、肌寒さを感じることもありましたが、概ね順調にカリキュラムをこなすことができました。実習に御協力頂きました吉村牧場長をはじめとする牧場スタッフの皆様(寺岡さん、栗田さん、佐野さん)、左向獣医保健看護学科長、小林(眞)教授、百田准教授、生野助教をはじめとする本学科教員の皆様、並びに三浦講師(獣医学科 産業動物臨床学研究室)に深く感謝申し上げます。
本実習では、朝5時より牧場作業において必須の搾乳や清掃・給餌作業(朝作業)から始まり、朝食を挟んで本学科各部門の先生による「動物の比較」、「臨床検査」、「野外調査」、「乳製品づくり」や三浦講師による「牛の一生」並びに吉村牧場長による「乗馬」と続き、夕方、再び搾乳と牧場作業を行い17時30分終了の密度の濃い構成となっております。初めて産業動物に触れる学生が殆どであることからウシやウマなどに触れる際の身の処し方についてレクチャーを受け、その後、各動物の特性、産業動物としての在り方について学び、身体検査(体温測定、心拍、ルーメン検査など)、搾乳や乗馬などを体験しました。多くの学生が動物に直接触れることで命の温かみを実感できたことと思います。また百田准教授発案による新たな試みとして動物愛護や生命倫理、環境・保全・感染症などの様々なテーマに基づいた「ディベート」を実施し、1チーム3名で論戦を繰り広げました。普段の講義では実施しにくいグループ学習を通じて、”Active Learning” の面白さを実感出来たことと思います。
本学科の特性上、産業動物に関する講義・実習は多くありませんが、今回、産業動物との触れ合い・取り扱いを通じて、愛玩動物とは異なる「ヒトと動物との関係」の一端について考えるいい機会になったかと思います。例年、班ごとに反省点や感想を述べてもらっています。総じて「座学では決して感じることのできない『動物たちの鳴き声、におい、肌触り』を体験できたこと、イヌ・ネコとは異なる習性が数多くあることに気付いた、動物への思いやりの気持ちがさらに芽生えた」などを挙げており、また「班内での人間関係がより深くなったこと、今回の体験を今後の学習に生かしていくこと」等を挙げており、より強い学習意欲の向上のきっかけになってくれればと願っております。今後4年間、研鑽を積み、立派な「動物看護師」へと成長してくれることを祈念しております。