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第209号:富士アニマルファームと産業動物臨床学研究室

2019/6/25 更新

獣医学部獣医学科5年次 産業動物臨床学研究室 井上 拓馬

 私が所属する産業動物臨床学研究室では、家畜の中でも特に牛についての研究を行っています。乳牛が毎日多量のミルクを生産することで生じる体への負担は非常に大きなものであり、乳牛特有の生産病と呼ばれる様々な病気が存在します。それらに対して適切な予防あるいは治療管理を行うことが牛の健康そして生産性の向上につながる重要なプロセスであり、我々獣医学生は日々それらを行うために必要な知識・技術の習得に努めています。

 産業動物臨床学研究室では牛の臨床に興味がある学生が集まるので、特にこのことに重点を置いて毎週土曜日に富士アニマルファームを訪問して味戸忠春准教授、三浦亮太朗講師の御指導の下で頻繁にトレーニングを行っています。メインとして行っているのが乳牛の健康状態のモニタリングと繁殖検診です。特に分娩前後は病気や事故が起きやすい時期なので身体検査・血液検査やその他詳細な検査を実施して、必要に応じて治療を行っています。繁殖検診では発情鑑定や妊娠診断を行う上で必須となる直腸検査技術のトレーニングを行っています。直腸検査による発情鑑定では直腸壁越しに生殖器の触診を行い、発情が検出された場合には人工授精を実施して後日妊娠診断を行っています。その他にも富士アニマルファームでは手術実習・搾乳実習・採卵・卒論実験など様々なことを経験させていただきました。

 どんな飼育動物に対しても動物のストレスを軽減するということは動物愛護や動物福祉の観点から強調されることですが、産業動物においてはさらに生産性の向上にもつながる重要な課題であると思います。我々の活動は牛にとっては複数の学生が牛舎を頻繁に出入りする、あるいはトレーニングも兼ねた種々の検査を受けるということで大きなストレスを感じることが考えられます。さらに富士アニマルファームは実際に生乳出荷を行っている農場であるため生産性に影響が出るという懸念もあります。それでも吉村牧場長をはじめとした牧場の教職員の方々はいつも我々を温かく迎えて受け入れてくださり、とても有難いことであると思っています。この場をお借りして日頃の感謝を述べさせていただきます。いつも本当にありがとうございます。富士アニマルファームで経験したことをしっかりと生かせるような獣医師を目指して今後も日々の勉強に励みたいと思います。

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