去る8月26日より3泊4日の日程で、獣医学科2年次の付属牧場実習が開催されました。今年度は21名の学生が参加し、搾乳や畜舎作業などの牧場作業に加え、牛や馬を題材とした獣医学的な実習を行いました。2年次の学生にとって、付属牧場での実習は初めてだったうえ、多くの学生は牛や馬といった大動物に直接触れることも初めてだったようです。そういう意味でも、今回の実習は参加学生の知的好奇心を強く刺激したようで、それぞれが意欲的に実習に臨む姿がとても印象的でした。
本年度の実習では実際の牛に触れながら、その解剖学的特徴を学びつつ、聴診や検温、直腸検査や採血といった基本的な臨床手技について体験してもらいました。馬学においては馬の品種や一般性状を学ぶとともに、吉村牧場長のご厚意により、牧場内の馬場にて全員が乗馬体験をさせて頂きました。また、実習の最後には、現役の産業動物獣医師である山村獣医師による特別講義を開催しました。講義では産業動物獣医師の仕事と社会における役割について学ぶとともに、実際の牛を使って診断方法を実演して頂きました。短い時間ではありましたが、現役の産業動物獣医師の動物の扱いや、診療現場での立ち居振る舞いを見学出来たことは、学生達にとって貴重な経験になったようです。
今回の実習では、「獣医師の職域の広さ」を実習体験を通じて理解することを目標の1つとして掲げていました。実際、多くの学生にとって、その価値観に影響を与える絶好の機会になったと感じています。この経験が学生達の今後の学習や進路の選択に活かされる事を期待しています。最後になりましたが、本実習の実施にあたりご協力頂いた吉村牧場長ならびに牧場スタッフの皆様、そして引率にご協力頂いた獣医学科教員の皆様に心より御礼申し上げます。