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第215号:2019 年度家畜人工授精、家畜体内受精卵移植および家畜体内受精卵移植(ウシ)講習会を終えて

一般社団法人家畜改良事業団 家畜バイテクセンター神戸分室 栗山 真季
株式会社神戸ETセンター 髙山 将貴

2019/10/28 更新

一般社団法人家畜改良事業団 家畜バイテクセンター神戸分室 栗山 真季

 8月13日~9月11日に渡り講習会に参加させていただきました。私は普段、と場卵巣からの採卵を行っています。今回の講習では、改めて学術的な視点から受精卵についての学びを深める事ができました。受精卵移植については、実務での経験がほとんどないので、内臓を使用しての実習や、青梅畜産試験場および富士宮アニマルファームでウシに十分触れる事ができ、また、先生方のサポートも手伝って、手ごたえを掴む事ができました。と場採取卵巣しか扱った事がなかったので、直腸検査で初めて卵巣を襞越しに探し、卵胞と黄体を確認できた時はとても感動しました。 体外受精では 250 個を培養しましたが、胚盤胞は 9 個と非常に残念な結果になってしまいました。しかし、その胚盤胞を用いて初めてガラス化に挑戦、緩慢凍結法も行い、融解後の生存を確認することができました。
 アニマルファームでの実習に向けた体内受精卵の採卵はホルモン処置計画から作成し、黒毛和種供卵牛から 51 胚を回収しました。このうち移植可能な胚盤胞は 19 個でした。その場で、新鮮卵としてストロー詰めし、残りは凍結処理を行いました。凍結やストロー詰めは慣れている作業ではありましたが、現場のスピード感に緊張しました。採卵は静岡県の獣医の先生にお願いしましたが、検卵、選別を我々で行い、凍結処理まで完了した時は充実感がありました。
 知識と技術をしっかりと深める事のできた講習でした。牛島先生、岡田先生、吉田先生、静岡県の獣医の先生方、そして付属牧場の職員の方々には大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

株式会社神戸ETセンター 髙山 将貴

 私は、家畜体内・体外受精卵移植師の資格を取得するため、日本獣医生命科学大学主催の家畜人工授精師講習会に参加させていただきました。1 か月に渡る講習を通して感じたのは、自分の移植・体外受精など自分の作業を振り返り、再確認するという姿勢やその方法をしっかりと体に叩き込む、丁寧な指導でした。例えば、体外受精した直後とその6時間後の精子の状態を確認して、体外受精がうまくいったかを確認することや、と体に受精卵を移植しそれを採卵して回収することで、どこに問題があって回収できなかったか、また、どうすれば取りこぼしなく回収できるのかを考えることができました。現場では、いつも同じ状態で仕事ができるわけではないので、このように結果をしっかり確認して、次にどうすればうまくできるかを考えさせる指導は、現場で成長していくために必要不可欠だと思います。  講習会の集大成である富士アニマルファームでの実習では、講習会で学んだことをしっかり確認できる 3 日間でした。富士アニマルファーム初日、頭絡を手際よく装着できなかったことで牛が余計に興奮して、悔しい気持ちになりましたが、2 日目の午前中には反省を踏まえ、牛を興奮させずに頭絡を装着できました。こんな小さなことですが、自分の成長がうれしかったです。また、牛の陰部の状態から発情判定をした後に、粘液を顕微鏡で確認して、本当に良い発情牛はどの牛かを検討する実習がありました。粘膜の結晶の状態や細胞の状態を見て発情判定するのは、実際に現場でするのは難しいですが、繁殖障害の牛の発情時の粘液を見てみたいという興味がわきました。2 日目午後の体内採卵では、移植可能胚 6 個でしたが、B ランクだったため、急遽、ガラス化凍結することになり、とても緊張しました。日々の卵の操作の上達のための訓練、平常心で作業する心構えなど、今後の自分の課題が見え、とても良い経験ができました。この講習会で学んだことを発揮し、現場で活躍できるように頑張りたいです。  最後に、充実した牧場実習を経験できたのは、富士アニマルファームで講習用の牛を準備してくださった牧場教職員の方々のおかげです。本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。