獣医保健看護学専攻博士前期課程1年の喜多虹帆さんが、石岡克己教授の指導のもと行った研究成果を日本動物看護学会第33回大会にて口頭発表しました。
日本動物看護学会は、動物看護学を学問として確立・発展させることを目的として設立され、年一度の学術大会開催と学会誌の発行を続け、臨床現場や教育研究機関、公的機関に勤める動物看護師たちの学術活動を支援している団体です。2023年度からは、本学獣医保健看護学科の石岡克己教授が理事長を務められています。
本学会にて、喜多虹帆さんの研究課題『動物福祉を考えたヘマトクリット管実習における疑似血液の応用』が高い評価を受け、優秀賞を受賞されました。
本研究では、樹脂ビーズを用いて健常犬や健常猫の血液成分を再現し、犬や猫の血液を用いる代わりに疑似血液を使ってのヘマトクリット管を用いた血液検査実習を行うための代替教材を提案しました。比重の異なる擬似血液の混合と食塩の添加、およびその量を調整することで、白血球数やTP値の異なる検体を再現したり、試薬の添加によって黄疸・溶血・乳びを再現するなど、健常時・疾患時を想定した臨床検査学実習を行うことが可能となります。また、本研究の成果は動物福祉への配慮に繋がるだけでなく、実習で外傷を負った際の感染リスクを低減させ、安全性の向上にも繋がります。
今後は、血漿部分のより安価な着色法を模索するなど、より実用性を高めた教材として完成させることを目的として研究を継続する予定で、喜多虹帆さんの益々の活躍が期待されます。