獣医保健看護学科の近江教授が研究を総括するネコ血液型研究に関する共同研究発表において、日本小動物医療センターの中村知尋氏(検査科主任・愛玩動物看護師)が、日本動物看護学会第35回大会にて大会発表優秀賞を受賞しました。
本賞は、9月12日・13日に帝京科学大学で開催された一般社団法人日本動物看護学会第35回大会において授与されました。
演題名:猫血液型カード凝集法における全血検体と洗浄赤血球の判定比較
演者:中村知尋¹・宇田川智野²・近江俊徳²
猫にも血液型があることをご存じですか。
猫の血液型は、輸血を行うときにとても重要です。血液型が適合しない血液を輸血すると、猫の体に大きな負担がかかり、命に関わる副作用が起こることもあります。動物病院では、市販のキットなどを使って、輸血に重要な猫AB式血液型を調べ、A型、B型、AB型のいずれかを判定します。猫の輸血医療を支える重要な検査です。一方、今回の研究では、血液をそのまま用いる場合と、赤血球を洗浄してから用いる場合とで、一部の検体において、判定結果が異なることが示されました。さらに、別の検査法であるイムノクロマトグラフィー法との比較においても、結果が必ずしも一致しないことが分かりました。このことから、特にまれな血液型(B型やAB型)が疑われる猫の輸血では、検査条件の違いにも注意しながら、複数の検査法を比較して血液型判定の精度を高めることが、安全な輸血につながると考えられます。また、血液型判定に加えて、輸血する血液と輸血を受ける猫の血液の適合性を確認するクロスマッチ試験も非常に重要です。
現在、私たちの研究グループでは、より安全な猫の輸血医療につなげるため、まれな血液型を示す猫も含め、猫AB式血液型を正確に分類できる遺伝子検査法の開発にも取り組んでいます。
▲左:宇田川講師 中央:中村氏 右:近江教授