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シュウカツの友

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資格図鑑!2010
―厳選!まる見えガイダンス―

オバタカズユキ (ダイヤモンド社 2009年)
2009/09/04更新 023号
資格図鑑、のあとに、!がついている。これが本書をよくあらわしている。
本書は、資格を図鑑にしていっぱい見せよう、という本ではないのである。「はじめに」でちゃんと書いてあるように、みっちり書いてある資格は44資格しかない。
では、どういう本なのか。それも「はじめに」にある。
「その資格をとったら、どうなるの? 役にたつの? 食べていけるの?」という「資格を取ったあとの」心配をしてくれるのが本書なのだ。
だから、広告が載っていない。それでも2003年版から続いている。需要があるのだろう。あるだろうな、と思う。
「ビジネス・マネー系資格(公認会計士とか)」「法律系資格(行政書士とか)」「不動産&建築(土地家屋調査士とか)」「IT系(ベンダー資格とか)」「医療系(理学療法士とか)」「福祉系(社会福祉士とか)」「動物&自然(獣医師!とか)」「その他(通関士とか)」。仕事内容、人種(その業界によくいるタイプ)、収入、合格率、登録者数、難易度、気になるポイント、それはそれは詳しい。巻末に「シンデレラ資格の通信簿」として、女性向け人気資格をズラリと一気に(こちらも偶然か、44資格並んでいる)“取得エネルギー”と“使える度”で評価してみせてくれているのもいい。

たぶん、ひととおり目を通すと「近道って無いんだなー、ふー」とタメ息のひとつもついてしまうような気がする。そのための本書である。身もフタもない内容だが、仕方ない。「この資格さえあれば、あとは万全」「この会社に入ってしまえば、一生心配なし」そういう類の妄想は、早く晴れたほうがいいと思う。それとも、もう、あんまりそういう幻想って無いのかな。
だとしても、本書は必要である。気が滅入る現実を読んでも、次の日、やっぱりその仕事がしたい、と再び思うかもしれない。
その次の日は、もっと強く思うかも。