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トレーニングという仕事 水族館トレーナーの知恵と技

トレーニングという仕事 水族館トレーナーの知恵と技

志村 博 著(東京大学出版部 2017年)
2017/10/16更新 081号
『恋人はイルカ ドルフィントレーナーにあこがれて』という図書がすでに本コーナーにある。そちらは写真満載の楽しい本、本書はジックリ読ませるタイプ。タイプが違うのでダブってる感じはしない。
著者が水族館勤務の方なので、基本的にはイルカを中心とした海獣トレーナーの本である。でも、それ以外の動物や、時には子育ての話も登場したりする。「イルカって頭がいいの?」といった、イルカそのものについてもじっくり書いてある。
イルカのトレーナーになっての醍醐味といった、スカッとするエピソードがあったかと思うと、命の展示に対しての深い考察が書いてあったり。
なかなか奥行きのある一冊だ。読み進めていくと「トレーニング」という「他者に何かを教えて、行動させる」という行為について、いろいろ思いが浮かんでくる。
「動物にショーをさせるって、どうなのかなぁ」とか考えている方など、なかなか読み応えがありそうである。また、複数のトレーナーが同じイルカたちをトレーニングするなど、実際にトレーナーになるとぶつかるいろいろなケースについても書かれていて、面白い。
巻末の「水族館トレーナーの仕事Q&A」は具体的。動物行動学についての一冊ともいえそうだ。