【研究期間】
2023年9月1日~2026年3月31日
【臨床研究の概要】
2023年4月〜5月の間、クラウドファンディング「犬と飼い主の負担を減らすために。犬の脳腫瘍治療に新たな一手を!」にて多くの飼い主、獣医師、動物病院、あるいは一般の方から広くご寄付頂いた研究資金による臨床研究です。
犬(特にフレンチ・ブルドッグやボクサー、ボストン・テリアで多い)で一般的な脳腫瘍であるグリオーマは手術や放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)を単独あるいは組み合わせによる治療、多くは手術+放射線治療または放射線治療+化学療法で治療される事が一般的です。しかしながら、なかなか完治するのは難しいのが現状です。また、各々の治療費が非常に高額である点も飼い主様にとって大きな負担となっています。この研究では腫瘍摘出の手術の際に、脳の中の腫瘍が存在していた場所にカルムスチン(BCNU)という名前の、薄いラムネ状の抗がん剤を設置して、その治療効果と副作用などの安全性等を確認する研究です。この治療法は既にヒトの悪性グリオーマで行われているものですが、これまで犬で実施された報告が無く、この治療を行う事で、その後の放射線治療までの期間を遅らせる、あるいは放射線治療を回避できる可能性などの期待ができます。この研究に参加できる対象患者(犬)は以下に記す症例で、使用する抗がん剤の費用は先に述べたクラウドファンディングによる研究資金から支払われます。また、本研究は本学のみならず、全国複数の脳外科手術を行っている動物病院で同時に行われています。
なお、この臨床研究については獣医師または動物病院からの問い合わせのみを受け付けます。飼い主の方におかれましてはお手数ですがかかりつけの動物病院または担当獣医師に下記アドレスへお問い合わせ頂くようご依頼下さい。また、クラウドファンディングページもご参照下さい。
クラウドファンディングページ(外部リンク)
【対象となる患者】
既にMRIを撮影し画像診断上グリオーマと診断され、まだ手術、放射線治療、化学療法のいずれの治療も行っていない症例。
【問い合せ先】
vetepisurg(@mark)gmail.com
【関連リンク】
長谷川 大輔(研究者情報)
獣医臨床神経学研究室