獣医生化学

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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

山本 一郎 -YAMAMOTO Ichiro-

学位 : 博士(農学)(名古屋大学)
職位 : 教授
場所 : D棟4階 獣医生化学研究室
E-mail : ichiroy(@mark)nvlu.ac.jp
researchmap : B000250402
ORCID ID : 0000-0002-3000-0699
KAKEN研究者番号 : 00424763

主たる研究テーマ
ネコの脂質代謝に関わる研究

研究キーワード
生化学、遺伝子工学、発生生物学

研究内容

 イヌと異なり、ネコはヒト同様に2型糖尿病が多い動物です。糖尿病は肥満に起因することが多く、ネコの脂質代謝機構の解明が求められています。脂肪はグリセロールと脂肪酸から構成され、脂肪酸は含まれる炭素数から短鎖(〜6)、中鎖(8〜12)、長鎖(14〜)脂肪酸に分類される必須の栄養素で主要なエネルギーである一方、様々な細胞内プロセスに関与するシグナル伝達物質であることも明らかになってきました。その作用を伝達する受容体FFAR1〜4はGタンパク質共役型受容体であり、脂質代謝のほか、免疫機能に関わっています。ヒトで開発される抗肥満薬はFFAR1〜4を標的とするものも複数存在し、ネコの抗肥満治療への効果検証や遺伝子診断技術の開発に役立てたいと研究を行っています。

指導方針

 現在までに学位取得を目指した大学院生3名(現大学教員)に自分の持つ知識・技術をはじめ、最新知見・技術も積極的に取り入れて研究を進めエキサイティングな経験しました。また私自身が出身大学とは異なる大学で博士の学位を取得した経験や国内外でのポストドクター経験から、ヘテロジニアスな研究環境の素晴らしさ・楽しさ・大変さも経験しています。本学出身者に限らず、様々なバックグラウンドを持つ大学院生を歓迎します。

 大学院生の皆さんにはQuestion & Answerを常に意識して欲しいと思います。Questionを解決してAnswerを求めるには仮説が必要ですが、大学院生は仮説が間違っていても良いと私は思います。もし間違っていたら、認めて立て直せば良いだけです。恐れず前に進みましょう!

 研究者に必須の論文執筆のほか、日本学術振興会特別研究員や科学研究費申請書の作成など「いかに自分の研究をプレゼンテーションするか」は大学院生時代に培うべき必須のスキルです。各自の長所を伸ばしつつ懇切丁寧な指導を心がけています。

主な学術論文

1. Molecular characterization of feline melanocortin 4 receptor and melanocortin 2 receptor accessory protein 2
Habara M, et al., (2018).(大学院生筆頭著者、山本責任著者)
Gen Comp Endocrinol, 15;261:31-39.
DOI: 10.1016/j.ygcen.2018.01.020
ネコメラノコルチン受容体4およびアクセサリータンパク質2の機能解析
2. Short communication: molecular characterization of dog and cat p65 subunits of NF-kappaB
Ishikawa S, et al., (2015).(大学院生筆頭著者、山本責任著者)
Res Vet Sci, 99:145-8.
DOI: 10.1016/j.rvsc.2015.02.009
イヌネコNF-kappaBの機能解析
3. Mechanism of insulin production in canine bone marrow derived mesenchymal stem cells
Takemitsu H, et al., (2013).(大学院生筆頭著者、山本責任著者)
Gen Comp Endocrinol, 1;189:1-6.
DOI: 10.1016/j.ygcen.2013.04.009
イヌ骨髄由来幹細胞によるインスリン産生の試み
4. cDNA cloning and mRNA expression of cat and dog Cdkal1
Yamamoto I, et al., (2012).(山本筆頭著者)
Vet Med (Auckl), 10;3:65-69.
DOI: 10.2147/VMRR.S32540
イヌネコの肥満遺伝子Cdlak1の発現解析
5. Two chicken neuromedin U receptors: characterization of primary structure, biological activity and tissue distribution
Yamamoto I, et al., (2011).(山本筆頭著者)
Gen Comp Endocrinol, 1;174(2):116-23.
DOI: 10.1016/j.ygcen.2011.08.004
ニワトリニューロメジンU受容体2種の機能解析
6. Primary structure, tissue distribution, and biological activity of chicken motilin receptor
Yamamoto I, et al., (2008).(山本筆頭著者)
Gen Comp Endocrinol, 1;156(3):509-14
DOI: 10.1016/j.ygcen.2008.03.007
ニワトリモチリン受容体GPR38の機能解析
7. Molecular characterization of sequence and expression of chicken GPR39
Yamamoto I, et al., (2007).(山本筆頭著者)
Gen Comp Endocrinol, 151(1):128-34.
DOI: 10.1016/j.ygcen.2006.12.002
ニワトリGタンパク質共役型受容体GPR39の発現解析
8. cDNA cloning and mRNA expression of Transformer 2 (Tra 2) in chicken embryo
Yamamoto I, et al., (2002).(山本筆頭著者)
Biochim Biophys Acta, 12;1579(2-3):185-8.
DOI: 10.1016/s0167-4781(02)00511-0
ショウジョウバエ性決定遺伝子Tra2のニワトリにおける発現解析