研究内容
「美味しい匂い」と「不味い臭い」が生まれる神経基盤の解明
「美味しい、不味い」の感覚の中心は嗅覚と味覚です。多くの動物は、食経験を通じて食物のニオイと味を結びつけて「美味しい匂い」「不味い臭い」を学習し、食物への嗜好性・嫌悪性を身につけます。食物への嗜好性・嫌悪性は、人間や動物の栄養管理に重要ですが、嗅覚と味覚の相互作用の脳内機構は十分には解明されていません。私達は、多感覚統合機能を持つ島皮質に注目し、実験動物マウスをモデルに、行動解析、in vivoイメージング、組織化学を組み合わせて、味覚と嗅覚の相互作用の神経基盤を解明する研究を行なっています。
実験動物とヒトの双方に優しい飼養管理技術の考案
適切な実験動物の飼養管理は、安定した実験データの取得に不可欠です。マウスは、生物学的にヒトとの接触を好まない動物と考えられており、近年では、チューブなどの器具を応用してヒトがマウスに直接触れない管理方法が考案されています。一方、器具の使用方法が不適切だとヒトとマウスの双方に大きなストレスとなります。私達は、管理を受けるマウスの生体反応をリアルタイムに記録、応答性を解析することでより安全な器具の使用方法、新しい管理手技を考案する研究を行なっています。