獣医感染症学

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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

指導教員名:氏家(うじけ) 誠
職位:准教授
学位等:博士(医学)
researchmap
KAKEN研究者番号:50415478
ORCID ID:0000-0002-7145-7126
主たる研究テーマ:ウイルス感染症
研究キーワード:コロナウイルス、トロウイルス
場所:D棟5階 獣医感染症学研究室
E-mail:ujike●nvlu.ac.jp

研究内容

 感染症の原因となる病原微生物には、ウイルス、細菌、寄生虫、真菌などがありますが、本研究室では、ウイルス研究―中でもコロナウイルスやトロウイルスに関する研究―を行っています。コロナウイルスやトロウイルスは、家畜や愛玩動物、実験動物に様々な病気を引き起こすため、獣医学領域では非常に重要なウイルスです。また、動物由来感染症である新型コロナ、サーズやマーズコロナウイルスなどはヒトに対して高い病原性を示すため医学領域でも重要なウイルスです。
 本研究室では、主に動物コロナウイルス(マウス肝炎ウイルス、豚流行性下痢ウイルス)や動物トロウイルス(牛・豚トロウイルス)を用いて、基礎から応用まで幅広い研究を行っています(下記参照)。これらの研究成果を、家畜の衛生環境の向上や、ヒトコロナウイルス感染症の治療に還元することを目指しています。

1)腸管指向性弱毒牛トロウイルス・ワクチンベクターの開発
2)ドラック・リポジショニングによる抗コロナウイルス薬の開発
3)トロおよびコロナウイルスのリバース・ジェネティクス(人工ウイルス合成法)の確立
4)トロおよびコロナウイルスの粒子形成メカニズムの解明

指導方針

 本年度より、獣医学専攻博士課程の大学院生の指導が可能となりました。大学院生の方々には、新規性の高い研究をある程度の時間をかけて、丁寧に行える環境を提供したいと考えています。ウイルス学の分野では、J.Virolがトップジャーナルの一つとして認識されていますが、本研究室では獣医学部の学部学生が、本ジャーナルの筆頭共著者1)や共著者1-2)になっておりますので、大学院生の方々も、国際的に評価の高い同レベルの研究を行って頂けると思います。研究指導を行う上で、重視していることは2つあり、1つめは、心身ともに健康な状態で研究を持続するということで、無理なハードワークは推奨していません。2つめは、実験のプラニングや実験結果のディスカッションを時間をかけて行い、考える力を養っています。このような指導の中で、無理せず安定して研究を行うマインドを作り、自分で考えて研究を組み立て、結果を解釈するという、研究者としての基礎的な力を取得できるような指導を心がけております。

主な学術論文

※下線は学部学生、*は責任著者、は筆頭共著者
1.Ujike M*, Etoh Y, Urushiyama N, Taguchi F, Asanuma H, Enjuanes L, Kamitani W.
Reverse Genetics with a Full-Length Infectious cDNA Clone of Bovine Torovirus.
J Virol. 2022 96(3):e01561-21.
2.Ujike M*, Kawachi Y, Matsunaga Y, Etho Y, Asanuma H, Kamitani W, Taguchi F.
Characterization of Localization and Export Signals of Bovine Torovirus Nucleocapsid Protein Responsible for Extensive Nuclear and Nucleolar Accumulation and Their Importance for Virus Growth.
J Virol. 2021 95(3):e02111-20.
3.Matsuyama S*, Kawase M, Nao N, Shirato K, Ujike M, Kamitani W, Shimojima M, Fukushi S.
The Inhaled Steroid Ciclesonide Blocks SARS-CoV-2 RNA Replication by Targeting the Viral Replication-Transcription Complex in Cultured Cells.
J Virol. 2020 95(1):e01648-20.
4.Li Y, Watanabe E, Kawashima Y, Plichta DR, Wang Z, Ujike M, (他23名), Xavier RJ*, Atarashi K*, Honda K*.
Identification of trypsin-degrading commensals in the large intestine.
Nature. 2022 609(7927):582-589.