研究内容
臨床研究を主眼としています。今現在興味を持っているのは犬猫の間質性肺炎と猫の慢性気管支炎から悪化した肺気腫です。前者については、ヒト医療の間質性肺炎には原因が明らかな疾患と原因不明の疾患に大別されています。原因不明の間質性肺炎は特発性間質性肺炎と呼ばれ、指定難病となっています。そしてそのヒトにおいて指定難病の間質性肺炎が犬や猫でも発症しています。ヒト医療では聴診、血清マーカーとしてKL-6測定、呼吸機能検査および胸部CTにて診断が下せるが、犬猫ではそのようなクライテリアが無く、臨床徴候や今までの治療経過や胸部X線画像から推測しているため、本疾患と診断がつくまでに時間がかかっています。また、治療についてもステロイドや免疫抑制剤を用いて炎症のコントロールが主体です。それらの治療で奏功する場合もあるが、無効な場合もあり、更なる治療カードの追加が求められています。従って間質性肺炎については診断法の確立と更なる治療法についてヒト医療から学びながら研究をしています。後者の猫の肺気腫についてはヒトのCOPDに類似した病態と考えられていて喘息や慢性気管支炎の進行悪化に伴って発症しています。肺気腫になったら不可逆性となり、予後は厳しいものとなります。しかしながら、全ての猫喘息や慢性気管支炎が肺気腫に進行するわけではないように感じています。
こちらについてもヒトのCOPDに対する考え方から学びながら研究をしています。