獣医公衆衛生学

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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

指導教員名:落合 由嗣
職位:教授
学位等:博士(獣医学)
researchmap
KAKEN研究者番号:40350178
主たる研究テーマ:食品における食中毒原因菌の制御法の確立
研究キーワード:リステリア、ストレス耐性、菌分離、Quiescence(Dormancy, Persistence)
場所:D棟4階 獣医公衆衛生学研究室
E-mail:yochiai●nvlu.ac.jp
※●を@マークに変換してください。

研究内容

 私は食中毒原因菌の生態解明を通じて、原因菌を食品の汚染源から排除することを目指した研究を進めています。
 現在、注目している食中毒原因菌はリステリアです。多くの食中毒原因菌(サルモネラ、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌など)は本来、人を含む動物の消化管に生息していますが、リステリアは食品加工環境に常在していることが知られています。ここで、人や動物の生体内環境と食品加工施設などをはじめとする環境は、温度や栄養条件などの環境要因が全く異なっており、それに伴って両環境に生息している細菌種も全く違うとされています。ところがリステリアをはじめとするごく一部の病原細菌は、生体の内外を問わず分離されることから、多様な環境に適応して発育できる能力をもつことが分かっています。私はリステリアの幅広い環境に対する適応性に着目し、この適応性がどのような菌の性状に起因するかに関して解析を進めています。現在は特に、リステリアが発育・生残に好ましくない環境に置かれた状態でどのような対応(ストレス耐性)に着目した解析を展開しています。

指導方針

 研究者は「実験に真摯に取り組み、結果をしっかりと見つめる」ことを常に心がけて研究に取り組むことが重要だと思います。
 我々研究者は、学術論文の公表によってその内容に責任を負うことになります。公表後、他の研究グループが追試験を行った時に同じ結果を得られるはずです。このように、研究者たちが互いの研究成果を突き合わせることによって知見が積み重ねられ、科学が進歩を続けていくことが可能になると思います。しかし、追試験で再現性が得られないと混乱を来してしまいます(残念ながら、生物学分野では再現性の得られない論文が多いとの指摘があります)。研究の過程において、実験結果の再現性を確実に得た上で一歩ずつ着実に進めていくことに重点を置いて、大学院生の皆さんを指導していく方針です。
 私は、生物の実験の中で見せる現象に注目して研究に進めています。日々、細菌を対象に実験を続けていると、思いがけない現象を目の当たりにすることがあります。その中には既に報告されているものもありますが、「新発見かも?」といった現象もあります。じっくりと観察することで見出される知見を得る楽しさを体験できるように指導することを心掛けていきたいと思っています。

主な学術論文

1.Ochiai Y, Yoshikawa Y, Mochizuki M, Takano T, Ueda F.
Unique response characteristics in persistent strains of Listeria monocytogenes exposed to low pH.
Food Microbiol, 86, 103312, 2020.
2.Ochiai Y, Yamada F, Yoshikawa Y, Mochizuki M, Takano T, Hondo R, Ueda F.
Sequential transition of the injury phenotype, temperature-dependent survival and transcriptional response in Listeria monocytogenes following lethal H2O2 exposure.
Int J Food Microbiol, 259, 52-58, 2017.
3.Ochiai Y, Mochizuki M, Yamada F, Takano T, Hondo R, Ueda F.
Genetic classification of Listeria monocytogenes serotype 4b strains, including epidemic clones, isolated from retail meat in the Tokyo metropolitan.
Jpn J Infect Dis, 67, 258-263, 2014.
4.Ochiai Y, Yamada F, Mochizuki M, Takano T, Hondo R, Ueda F.
Biofilm formation under different temperature conditions by a single genotype of persistent Listeria monocytogenes strains.
J Food Prot, 77, 133-140, 2014
5.Ochiai Y, Yamada F, Otgomchimeg B, Ogasawara K, Mochizuki M, Hondo R, Ueda F.
Prevalence of Listeria monocytogenes in retailed meat in the Tokyo metropolitan area.
J Food Prot, 73, 1688-1693, 2010.