研究内容
難治性疾患を克服するための実験医学を基本に動物モデルを用いた病態解析ならびに新規治療法の開発研究を行っています。利用する動物は市販のものではなく、自前で作出あるいは維持しているところに我々の研究の特徴があります。以下に、現在利用している動物モデルを紹介します。
1)スナネズミ(Mongolian gerbil)
中国モンゴル地方を起源とする齧歯類の仲間であるスナネズミは脳底動脈の走行に特徴が有り、簡便に脳虚血を誘導できることから脳虚血神経細胞死のモデルとして実績があります。現在、このモデルを用いてブラックベリーや芋の茎を基にした健康食品や医療用ガスの有効性の検証を行っています。
2)Luciferaseトランスジェニックラット
発光ホタル由来のluciferaseはルシフェリンを基質にATPとの化学反応でルミネッセンス発光を起こします。その発光波長は組織透過性が高く、体の深部での発光であっても、非侵襲的に体表から検出できます。現在、Luciferase遺伝子を有する幹細胞を用いた再生医療研究を行っています。
3)GFPマウスおよびラット
発光クラゲ由来のGFPは特定の基質を必要とせず、励起光下で緑色に発光します。発光輝度は強く、特異性が高いためも少数の細胞でも検出可能となり、幹細胞追跡ツールとして有効です。現在、自作したGFPマウスおよびラットを有し、組織幹細胞の分離、特性解析を行っています。