動物微生物学

大学院 MENU
日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

青木 博史 -AOKI Hiroshi-

博士課程(前期)及び博士課程(後期)の指導教員
学位 : 博士(獣医学)(北海道大学)
職位 : 教授
KAKEN研究者番号 : 10440067
研究キーワード
動物ウイルス感染症、ペスチウイルス感染症、ウイルス学、分子ウイルス学、感染症疫学、検査学、ワクチン・診断薬、ウイルス検査法改良、動物衛生、予防獣医学、感染管理
場所 : E棟4階 微生物・感染症学研究分野
E-mail : aokihir(@mark)nvlu.ac.jp

研究内容

 動物ウイルス感染症を研究対象とし、国内で身近に又は日常的に発生し、問題となっている動物ウイルス感染症に目を向け、その予防、制御又は撲滅を目指して、多角的な視点と技術をもって研究に取り組みます。特に、ペスチウイルス属の牛ウイルス性下痢ウイルス、非定型豚ペスチウイルス、羊ボーダー病ウイルスを原因とするペスチウイルス感染症の基礎的及び実践的な研究に重点的に取り組んでおり、同属の豚熱ウイルスの対策に寄与する調査・研究も行っています。ペスチウイルス研究は国内トップクラスです。その他、非エンベロープ小型球形ウイルス(犬・猫・豚のパルボウイルス、豚サーコウイルスなど)の調査・研究も行っており、臨床現場で必須の診断や予防に関するテーマに取り組んでいます。

 これら感染症を克服するために、組織培養、分子ウイルス、分子生物、病理、遺伝子組換え、血清疫学、疫学(統計・解析)など様々な技術を積極的に導入し、科学的根拠に裏付けられた成果の蓄積に努めています。

■ ペスチウイルスの病原性、自然免疫制御、Quasispeciesと干渉現象に関する研究
■ ペスチウイルスの宿主特異性(種の壁)、異種動物感染獲得メカニズムに関する研究
■ 新たに見つかった非定型豚ペスチウイルスに関する総合的研究
■ 新たなワクチンや診断薬などの基礎的開発(ペスチウイルス及びサーコウイルス)
■ 感染管理に関する調査・研究(ウイルス不活化や消毒の効果評価、伝播経路調査など)
■ 流行調査(生物学的及び分子疫学的な技術を併用した調査)

指導方針

 愛玩動物看護師または獣医療技術者として、社会又は獣医療に貢献し、獣医保健看護学の発展に寄与することを基本とします。そのうえで、subspecialtyとしての動物衛生または動物感染管理の実践と調査・研究を専門的に取り組める人材の育成を行います。

博士課程(前期):研究に必要な基礎的スキルの修得を心掛けた研究指導
博士課程(後期):自主的・実践的な研究とキャリアアップの推進を心掛けた研究指導

その他

1) 病原ウイルスや遺伝子組換え実験の研究を常時行っているため、以下の基本的な知識と技術を修得済みであることが望ましいです。
・組織培養技術(初代細胞及び株化細胞の維持など)
・バイオセーフティレベル2に必要な微生物学標準技術
・拡散防止措置レベルP2の遺伝子組換え実験技術
2) コアタイムがあります。また、教員及び大学院生だけで行う研究進捗ミーティングを定期的に行っています。
3) 「ウイルス感染症」という生物現象を相手に、「面白い」や「どうなっているだろう」などの基礎的探究から、「感染症から動物を守りたい」に繋がる診断・予防法への応用まで展開しています。「動物ウイルス感染症を一つでも日本から無くしたい!」に一緒に本気で取り組んでいただける方を歓迎します。

主な学術論文

1. Mai Shiokawa, Yui Morita, Makoto Nagai, Makoto Haritani, Hiroshi Aoki. (2023).
Isolation and artificial production of atypical porcine pestivirus, using the swine-kidney-derived cell line SK-L.
Arch Virol, 168(12), 294.
DOI: 10.1007/s00705-023-05919-y
2. Moe Shioda, Mai Shiokawa, Hiroshi Aoki. (2023). (筆頭:学部生)
Establishment of guinea pig kidney cell lines with potential application in the production of a classical swine fever live GPE− vaccine.
J Vet Med Sci, 85(3), 308-317.
DOI: 10.1292/jvms.22-0385
3. Mai Shiokawa, Tsutomu Omatsu, Hiroshi Aoki, et al. (2019).
END-phenomenon negative bovine viral diarrhea virus that induces the host’s innate immune response supports propagation of BVDVs with different immunological properties.
Virology, 583, 97-110.
DOI: 10.1016/j.virol.2019.09.016
4. Shuhei Hosono, Mai Shiokawa, Tsubasa Kobayashi, Akio Fukusho, Hiroshi Aoki. (2019). (筆頭:博士(前期)大学院生)
Porcine circovirus type 2 induces a strong cytopathic effect in the serum-free culture cell line CPK-NS cells.
J Virol Methods, 273, 113706.
DOI: 10.1016/j.jviromet.2019.113706
5. Hiroshi Aoki, Fujiko Sunaga, Hideharu Ochiai, et al. (2019).
Phylogenetic analyses of novel posaviruses detected in feces of Japanese pigs with posaviruses and posa-like viruses of vertebrates and invertebrates.
Arch Virol, 164(8), 2147-2151.
DOI: 10.1007/s00705-019-04289-8
6. Kaoru Nishine, Hiroshi Aoki, Yoshihiro Sakoda, Akio Fukusho. (2014). (筆頭:博士(後期)大学院生)
Field Distribution of Exaltation of Newcastle disease virus phenomenon-negative bovine viral diarrhea virus.
J Vet Med Sci, 76(12), 1635-1639.
DOI: 10.1292/jvms.14-0220
7. Hiroshi Aoki, Kiyoyasu Ishikawa, Hideto Sekiguchi, Shoko Suzuki, Akio Fukusho. (2003).
Pathogenicity and kinetics of virus propagation in swine infected with the cytopathogenic classical swine fever virus containing defective interfering particles.
Arch Virol, 148(2), 297-310.
DOI: 10.1007/s00705-002-0907-2
8. Hiroshi Aoki, Kiyoyasu Ishikawa, Yoshihiro Sakoda, Hideto Sekiguchi, Michi Kodama, Shoko Suzuki, Akio Fukusho. (2001).
Characterization of classical swine fever virus associated with defective interfering particles containing a cytopathogenic subgenomic RNA isolated from wild boar.
J Vet Med Sci, 63(7), 751-758.
DOI: 10.1292/jvms.63.751
業績詳細(Researchmap)