研究内容
当研究室では、人と動物の共通性や特異性を比較しながら、疾病の原因や発症の仕組みを病理形態学・分子病理学的手法を用いて研究しています。特に当研究室で掲げているテーマは下記の二つです。
① 野生動物の保全に関わる病理学的研究
当研究室では野生動物・動物園動物を中心とした病理検査を実施しています。様々な野生動物の症例を病理学的に解析し、データを蓄積することで、野生下の動物の新興疾病発生のモニタリング、希少な動物の動物園内飼育・繁殖(生息域外保全)などに貢献します。具体的には環境省の保護増殖事業に基づいて動物園で飼育されているニホンライチョウの病理検査や、アマミノクロウサギなどの奄美群島の希少な野生動物の死因調査などを行っています。
② 動物の腫瘍性疾患の診断病理学的、分子病理学的研究
伴侶動物の腫瘍について、細胞形質と遺伝子発現の解析、組織発生の解明、診断困難な腫瘍の同定など、腫瘍の診断と治療の発展に貢献する研究を行うことで、ヒトや動物の医療に還元することを目指しています。特にイヌの乳腺腫瘍の課題については精力的に取り扱っています。
上記二つのテーマは同じ研究室の山本昌美先生とともに指導を行います。