概要
疾患を持った動物や高齢動物を対象に、栄養管理や皮膚ケアなどの科学的看護技術法の開発、疾患の診断・治療効果を評価する指標の確立、遺伝子レベルを含む各種検査マーカーの検討、栄養補助飼料に関する研究を行う。また、動物愛護や社会活動動物についても研究対象とする。研究を通じて、対象の観察を基盤とする動物看護実践者に必要な深い洞察力を養い、さらにその研究成果を論文として完成させる。獣医療の高度化に対応し、動物看護学の発展に貢献する動物看護の実践者・教育者及び研究者を養成する。
疾患を持った動物や高齢動物を対象に、栄養管理や皮膚ケアなどの科学的看護技術法の開発、疾患の診断・治療効果を評価する指標の確立、遺伝子レベルを含む各種検査マーカーの検討、栄養補助飼料に関する研究を行う。また、動物愛護や社会活動動物についても研究対象とする。研究を通じて、対象の観察を基盤とする動物看護実践者に必要な深い洞察力を養い、さらにその研究成果を論文として完成させる。獣医療の高度化に対応し、動物看護学の発展に貢献する動物看護の実践者・教育者及び研究者を養成する。
石岡 克己 -ISHIOKA Katsumi- | |||||
博士課程(前期)及び博士課程(後期)の指導教員 | |||||
学位 | : | 博士(獣医学)(北海道大学) | |||
職位 | : | 教授 | |||
KAKEN研究者番号 | : | 60409528 | |||
主たる研究テーマ | |||||
犬、猫、臨床検査、血液検査、遺伝子検査、肥満、腫瘍 |
|||||
場所 | : | E棟4階 臨床部門教員室 | |||
: | katsumi(@mark)nvlu.ac.jp |
動物の身体の状態を知るための臨床検査が主な研究テーマで、特に生化学検査や遺伝子検査など、検体検査を対象としています。これまで、膵特異リパーゼの測定意義や新しい炎症マーカーの確立、肥満リスクに関連する遺伝子変異などについて研究を行ってきました。2023年には所属大学院生が生化学測定値の犬種別比較を行ったデータを日本動物看護学会第32回大会で発表し、奨励賞を受賞しています。また、近年は本研究室で樹立した腫瘍細胞株の分子生物学的な解析についても研究を進めています。
博士前期(修士)課程では、幅広い知識と技術の修得を目指します。各種血液検査や遺伝子検査、ELISA法、細胞培養法、統計解析法などを学び、さまざまな研究に従事できる知識と技術を身につけます。博士後期(博士)課程では、より深く絞りこんだテーマで研究を展開させ、研究者としての独立を目指します。同時に、他の大学院生や学部学生の指導を通じて、研究の見識を広げるとともに実験などの指導力を身につけます。診療は消化器科を中心として外来から検査、コミュニケーションにいたる一連の臨床業務を経験し、大学病院での動物看護学生の指導能力を養成します。
人医療では、医師や看護師の他に、栄養士や臨床検査技師、保健師、理学療法士など多くのパラメディカル職が存在します。一方、獣医療で国家資格となっているのは、獣医師の他は愛玩動物看護師のみです。そのため、愛玩動物看護師には幅広い業務への参加が期待されています。その中でも臨床検査は、栄養管理と並んで動物看護師が直接関わる部分の多い重要な領域です。事実、国家資格化された愛玩動物看護師のカリキュラムでも、これらの科目は独立した科目として重要視されています。臨床検査学を専門家として学び、また研究者として発展させていくことは、学位を持つ愛玩動物看護師の重要な役割と考えます。
1. | Shimizu Y, Kanda T, Kutara K, Ohnishi A, Saeki K, Miyabe M, Asanuma T, Ishioka K. (2022). Effect of hot water bottles on body temperature during magnetic resonance imaging in dogs under general anesthesia: a retrospective study. Vet Sci, 9(12), 660. DOI: 10.3390/vetsci9120660 |
2. | Gottlieb, SG, Rand JS, Ishioka K, Dias DA, Boughton BA, Roessner U, Ramadan Z, Anderson ST. (2022). Measures of insulin sensitivity, leptin, and adiponectin concentrations in cats in diabetic remission compared to healthy control cats. Front Vet Sci, 9:905929. DOI: 10.3389/fvets.2022.905929 eCollection 2022 |
3. | Ishioka K, Hayakawa N. (2019). Serum amyloid A concentrations in cats measured using a newly developed feline-specific latex agglutination immunoassay. Jpn J Vet Res, 67, 145-150. DOI: 10.14943/jjvr.67.2.145 |
4. |
Miyabe M, Gin A, Onozawa E, Daimon, M, Yamada, H, Oda H, Mori A, Momota Y, Azakami, D, Yamamoto I, Mochizuki M, Sako T. Tamura K, Ishioka K. (2015). Genetic variants of the unsaturated fatty acid receptor GPR120 relating to obesity in dogs. J Vet Med Sci, 77, 1201-1206. DOI: 10.1292/jvms.15-0031 |
水越 美奈 -MIZUKOSHI Mina- | |||||
博士課程(前期)及び博士課程(後期)の指導教員 | |||||
学位 | : | 博士(獣医学) (日本獣医生命科学大学) |
|||
職位 | : | 教授 | |||
場所 | : | E棟4階 臨床部門教員室 | |||
: | mmizukoshi(@mark)nvlu.ac.jp |
研究内容
指導方針
1. | |
2. | |
3. | |
4. | |
5. |
百田 豊 -MOMOTA Yutaka- | |||||
博士課程(前期)及び博士課程(後期)の指導教員 | |||||
学位 | : | 博士(獣医学)(岐阜大学) | 職位 | : | 准教授 |
KAKEN研究者番号 | : | 50418612 | |||
場所 | : | E棟4階 臨床部門教員室 | |||
: | momota(@mark)nvlu.ac.jp |
研究内容
指導方針
1. | |
2. | |
3. | |
4. | |
5. |
森 昭博 -MORI Akihiro- | |||||
博士課程(前期)及び博士課程(後期)の指導教員 | |||||
学位 | : | 博士(獣医学)(日本獣医生命科学大学) | |||
職位 | : | 准教授 | |||
KAKEN研究者番号 | : | 60549559 | |||
主たる研究キーワード | |||||
犬、猫、糖尿病、内分泌疾患、臨床栄養学、糞便マイクロバイオーム、手作りフード | |||||
場所 | : | E棟4階 臨床部門教員室 | |||
: | amori(@mark)nvlu.ac.jp |
本研究室では、糖尿病動物のより良い治療に向けた様々な研究を行っています。特に我々が報告した糖尿病犬および猫における様々なインスリンの効果は、獣医療でもっとも有名な内分泌の英文のテキストにも論文が引用されています。そのほかの内分泌疾患としてクッシング症候群の研究も行っています。近年では糞便のマイクロバイオームの研究が多く、犬および猫において様々な食事やサプリメントを給与し、糞便マイクロバイオームがどのように変化するのかを検討し、よりよい腸内環境ついて議論しています。また、手作りフードについても実際に作成し、成分分析をすることにより、犬および猫の栄養基準を満たすような、簡便で栄養価の高いレシピの検討を行っています。上記のテーマは同じ研究室の小田民美先生とともに指導を行います。
本人のやる気を重視します。やる気があればテーマを複数与え、できれば複数本の英語論文をトップオーサーとして執筆していただき、今後の研究活動を充実できるようにサポートしていきます。
1) | 大学院生の1週間の例 | ||
月曜日 | 午前 | 大学院の授業 | |
午後 | 研究のための論文探し、論文を読む、ゼミ | ||
火曜日 | 午前 | 実験 | |
午後 | 実習のアシスタント | ||
水曜日 | 午前 | 動物医療センターの内分泌科での診療の補助 | |
午後 | 研究室の飼育動物の飼育方法の学部学生へのアドバイスおよび指導、実験 | ||
木曜日 | 午前 | 動物医療センターの内分泌科での診療の補助 | |
午後 | 実験 | ||
金曜日 | 午前 | 論文の執筆 | |
午後 | 学会でのプレゼンテーションの作成 | ||
2) | こんな方にお勧めの研究室です | ||
指導することが好きな方 | |||
人と接するのが好きな方 | |||
動物が好きな方 | |||
内分泌疾患や、栄養学に興味がある方 | |||
研究して英語論文を執筆し、実績を残したい方 |
1. | Tomoya Takahashi, Akihiro Mori, Hitomi Oda, Isao Murayama, Mitsuhiko Kouno, Toshinori Sako. (2021). Comparison of cholesterol levels among lipoprotein fractions separated by anion-exchange high-performance liquid chromatography in periparturient Holstein-Friesian dairy cows. J Vet Med Sci, 5;83(2):260-266. DOI: 10.1292/jvms.20-0361 |
2. | Naoko Yayoshi, Yuji Hamamoto, Hitomi Oda, Aiko Haga, Kaoru Koyama, Toshinori Sako, Akihiro Mori. (2022). Successful treatment of feline hyperadrenocorticism with pituitary macroadenoma using radiation therapy: a case study. J Vet Med Sci, 1;84(7):898-904. DOI: 10.1292/jvms.22-0021 |
3. | E Onozawa, A Goto, H Oda, S Seki, T Sako, A Mori. (2022). Comparison of the effects of two commercially available prescription diet regimens on the fecal microbiomes of client-owned healthy pet dogs. Pol J Vet Sci, 25(1):93-101. DOI: 10.24425/pjvs.2022.140845. |
4. | Takumi Komiya, Akihiro Mori, Naohito Nishii, Hitomi Oda, Eri Onozawa, Seri Seki, Toshinori Sako. (2021). Relationship between anti-insulin antibody production and severe insulin resistance in a diabetic cat. J Vet Med Sci, 83(4):661-665. DOI: 10.1292/jvms.20-0345. |
5. | Hitomi Oda, Akihiro Mori, Toshinori Sako. (2020). The effect of Insulin Degludec on glycemic control in diabetic cats over a 12-month period. J Vet Med Sci, 16;82(6):695-698. DOI: 10.1292/jvms.19-0309 |
小田 民美 -ODA Hitomi- | |||||
博士課程(前期)及び博士課程(後期)の指導教員 | |||||
学位 | : | 博士(獣医保健看護学) (日本獣医生命科学大学) | |||
職位 | : | 准教授 | |||
KAKEN研究者番号 | : | 40739158 | |||
研究キーワード | |||||
犬、猫、糖尿病、臨床栄養学、臨床動物看護学、動物看護理論、動物看護管理学、動物看護教育 | |||||
場所 | : | E棟4階 獣医保健看護学臨床部門 | |||
: | hoda(@mark)nvlu.ac.jp |
日本において比較的新しい分野である動物看護学を学問的に高めていくには、動物看護分野における研究実績と人材教育が重要と考えます。 | |
1) | 動物看護学の基盤を有し、優れたコミュニケーション能力、高度な専門的実践能力と問題解決能力を養う。 |
2) | 愛玩動物看護師として高い資質と倫理観を持ち、病めるすべての動物とそのご家族のQOL向上のための思考を養う。 |
3) | 研究室の糖尿病動物の飼育管理や付属動物医療センターでの診療補助業務を通じて、実際の看護動物が持つ疾病の病態理解、その治療を受ける看護動物が十分にその効果が発揮されるよう、患者を総合的に捉えてあらゆるケア、支援ができる能力を養う。 |
4) | 獣医診療において、獣医師とともにチーム獣医療に貢献する、動物看護の専門職としての愛玩動物看護師の役割を理解し、実践できる能力を養う。 |
5) | 幅広い視野をもち、人と動物の共生社会に目を向け、動物看護学と獣医療・公衆衛生学分野の発展のための研究能力を身につける。 |
という視点で、動物看護実践の研究を行っています。 特に糖尿病、内分泌疾患を抱える犬猫に対するより良い動物看護ケア、栄養管理、飼い主教育に関する検討を行います。 |
を求めており、特に本人のやる気を重視しています。積極的に動物看護教育と動物看護研究に取り組める人材の育成を行います。
誰が、誰に、どのような目的で、何を教育するのか、そのためにはどのような制度・組織・機能が望ましいのか、人材育成の課題とは、といった、動物看護教育学・管理学の視点で動物看護を改めて学び直し、実践の場において自身の強みである専門領域に関する知識技術を追求できる強い希望を持つ人材、指導的な立場でマネジメント能力を発揮できる人材、あるいは、看護教育の場で体系的な教育、研究の任を果たすことができる人材を育成します。
1. | Hitomi Oda, Akihiro Mori, Saori Shono, Eri Onozawa, Toshinori Sako. (2016). The effect of 1 year of trilostane treatment on peripheral lymphocyte subsets in dogs with pituitary-dependent hyperadrenocorticism J Vet Med Sci, 78(5) 851-854. DOI: 10.1292/jvms.15-0410 |
2. | Hitomi Oda, Akihiro Mori, Yuji Hirowatari, Toshie Takoura, Daisuke Manita, Tomoya Takahashi, Saori Shono, Eri Onozawa, Hisashi Mizutani, Yohei Miki, Yukiko Itabashi, Toshinori Sako. (2017). Cholesterol concentrations in lipoprotein fractions separated by anion-exchange-high-performance liquid chromatography in healthy dogs and dogs with hypercholesterolemia Res Vet Sci, 114 163-169. DOI: 10.1016/j.rvsc.2017.04.004 |
3. | Hitomi Oda, Akihiro Mori, Satoko Ishii, Saori Shono, Eri Onozawa, Toshinori Sako. (2018). Time-action profiles of insulin degludec in healthy dogs and its effects on glycemic control in diabetic dogs. J Vet Med Sci, 80(11) 1720-1723. DOI: 10.1292/jvms.17-0714 |
4. | Hitomi Oda, Akihiro Mori, Toshinori Sako. (2020). The effect of Insulin Degludec on glycemic control in diabetic cats over a 12-month period. J Vet Med Sci, 82(6) 695-698. DOI: 10.1292/jvms.19-0309 |
5. | Hitomi Oda, Aiko Haga, Kaoru Koyama, Kureha Gokita, Ran Akiyama, Takumi Komiya, Shinogu Hasegawa, Toshinori Sako, Akihiro Mori. (2024). Treatment of Ezetimibe lowers total and low-density lipoprotein cholesterol in hypercholesterolemic dogs with hyperadorenocorticism. J Vet Med Sci, 86(4) 363-367. DOI: 10.1292/jvms.23-0461 |