食料自然動物共生学

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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

桑原 考史 -KUWABARA Takashi-

学位 : 博士(農学)(東京農工大学)
職位 : 准教授
場所 : E棟5階
食料自然共生経済学教室
E-mail : takashik(@mark)nvlu.ac.jp
researchmap : 5000097159
KAKEN研究者番号 : 10724403

主たる研究テーマ
1 水田における環境配慮的農法の普及に関する研究
2 農村の地域資源の持続的な管理に関する研究
3 アニマルウェルフェアに配慮した畜産の普及に関する研究

研究キーワード
環境配慮的農法、地域資源管理、野生動物、アニマルウェルフェア

研究内容

 現在わが国の農畜産業は、気候変動対策、生物多様性保全等の地球環境問題やアニマルウェルフェアへの配慮といった社会的要求に応えつつ、食料の安定的供給の基盤を維持することが求められています。また、人口減に伴う需要減少と農村社会の変容にも対処しなくてはいけません。

 これら複数の要請に同時に応えるためには、産業として再生産可能な価格水準とそれを補完ないし代替する各種の政策支援に加え、環境問題に典型的な「市場の失敗」への対処が必要とされます。さらに、継続が困難になりつつある地域資源管理の共同、協働の仕組みを手直しして次世代に引き継ぐことも重要な課題です。

 本分野ではフィールドワークを通じて事例の実態把握と比較分析を行い、社会経済の変化のトレンドが個々の農畜産業経営や農村地域においてどのような形で現れているか、経営・経済的課題の克服に向けてどのような模索や試行錯誤が行われているかを解明します。また、現在実施されている諸政策が経営や地域にもたらしている効果と影響にも着目します。これらに基づき、今後わが国の農業、農村の発展に向けた課題と展望、必要とされる施策のあり方を考究します。

指導方針

 研究課題の設定にあたっては過去の研究動向の把握と自分自身の問題意識の明確化の双方が必要です。これらは別々の作業でなく、並行的、相乗的に進めるものです。

 研究を進める上では社会的事実の正確な把握が最重要であり、そのためには文献の読解、統計データの整理、フィールドワークの実施が不可欠です。ただし事実をいくら集めても、それらを並べただけでは論文になりません。仮説を立て、事実に基づいてその仮説を検証することが論文としての成立要件です。

 大学院のゼミでは農業経済学の基本的な枠組、概念、分析手法を学びながら、段階を追ってこれらの課題に1つ1つ取組んでいくことになります。

主な学術論文

1. 桑原考史・植木美希(2016)
「環境保全型農業と経営規模の関係」
『農業経済研究』、87(4):353-358
DOI: 10.11472/nokei.87.353
2. 桑原考史・大橋春香・齊藤正恵・弘重穣・小池伸介・戸田浩人・梶光一 (2010)
「イノシシによる地域農業被害の実態と対策の方向性」
『農業経済研究別冊 日本農業経済学会論文集』、305-312.
3. 植木美希・桑原考史・山田直登(2021)
「日本におけるアニマルウェルフェア牛乳の展開と可能性」
『フードシステム研究』、27(4):274-279.
DOI: 10.5874/jfsr.27.4_274