食品化学

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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

指導教員名:松石 昌典
職位:教授
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主たる研究テーマ:
1)食肉の香りとおいしさの関係に関する研究
2)食肉のアクトミオシンの解離現象とおいしさの関係に関する研究
3)食肉色素であるミオグロビンとヘモグロビンの耐熱性に関する研究
研究キーワード:食肉、香り、アクトミオシン、ミオグロビン
場所:E棟6階 食品化学教室
E-mail:matmas●nvlu.ac.jp
※●を@マークに変換してください。

研究内容

 食肉は食品の中でも最もおいしいものの1つです。そのおいしさは、主に味、香り、テクスチャー、色で構成されますが、これらの要素を形作る食肉の成分や構造は非常に複雑です。我々は、こうした要素の中で特に下記のことに着目して研究を行っています。
1.和牛肉や豚ネック肉などの脂肪を多く含む食肉の甘い、好ましい香りの成分とその生成機構
2.缶詰にした牛肉の香ばしい香りの成分と生成機構
3.食肉中のアクトミオシンが低温調理やイノシン酸などの作用でアクチン、ミオシンに解離する機構とその食肉熟成中の軟化機構との関係
4.食肉を低温調理したときの色調に及ぼす、ミオグロビンとヘモグロビンの耐熱性の影響

指導方針

 食肉のおいしさを調べるには、各種成分の化学的な性質と食肉の構造、および、それらの貯蔵や加熱での変化を熟知しておく必要があります。そのため、広く関連文献を調べ、その内容を理解し、議論できる力を養うように指導します。それと同時に、複数の仮説を立て、それを実験によって検証する作業を繰り返し行います。また、実験では、タンパク質成分を調べるための電気泳動やクロマトグラフィー、呈味成分や香気成分を調べるための高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィー-質量分析などに習熟し、分析結果の解釈をする訓練を繰り返し行います。こうしたことにより、研究成果を上げるとともに、学位取得後に食品の研究・開発に携わる有為な人材となるよう指導していきます。

主な学術論文

1.Retort beef aroma that gives preferable properties to canned beef products and its aroma components. Koshiro Migita, Takao Iiduka, Kie Tsukamoto, Sayuri Sugiura, Genichiro Tanaka, Gousuke Sakamaki, Yasufumi Yamamoto, Yusuke Takeshige, Toshio Miyazawa, Ayako Kojima, Tomoko Nakatake, Akihiro Okitani, Masanori Matsuishi
ANIMAL SCIENCE JOURNAL 88(12) 2050-2056, 2017.
2.AMP and IMP dissociate actomyosin into actin and myosin . Akihiro Okitani, Naoki Ichinose, Miki Koza, Kensuke Yamanaka, Koshiro Migita, Masanori Matsuishi
BIOSCIENCE BIOTECHNOLOGY AND BIOCHEMISTRY 72(8) 2005-2011, 2008.
3.Wagyu beef aroma in Wagyu (Japanese Black Cattle) beef preferred by the Japanese over imported beef. Masanori Matsuishi, Mitsuhiro Fujimori, Akihiro Okitani
ANIMAL SCIENCE JOURNAL 72(6) 498-504, 2001.