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【新着論文】水素水の繰り返しの摂取は脳虚血神経細胞を救済してくれる!

論 文 名:
Pharmacokinetics of hydrogen administered intraperitoneally as hydrogen rich saline and its effect on ischemic neuronal cell death in the brain in gerbils
和訳)スナネズミへの水素水腹腔内投与後の血中動態と脳虚血性神経細胞死への効果
著  者:
平野桃子、菅井和久、藤澤正彦、袴田陽二 他
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医保健看護学科 生体機能学研究分野
掲載雑誌:
PLoS One, 2022, Dec. 27.
doi: org/10.1371/journal.pone.0279410.
研究内容:
 日本獣医生命科学大学・獣医保健看護学科・生体機能学研究分野の袴田陽二教授は、慶應義塾大学医学部内科学教室(循環器)の佐野元昭准教授らとの共同研究により、スナネズミに水素水を投与した後の水素分子の血中動態と脳虚血負荷された大脳皮質神経細胞死との関係を明らかにしました(図-1)。これまでに水素水の摂取が健康や病気をサポートする報告は多数ありますが、投与後の血中動態と病態とを比較した報告は多くありません。今回、腹腔内投与された水素水中に含まれる水素分子は、後大静脈中では検出可能ですが、脳に血液を送る総頚動脈中では検出限界以下となることが判明しました(図-2)。一方、脳虚血後の大脳皮質の神経細胞は水素分子の抗アポトーシス作用により、細胞死が軽減されることを確認しました(図-3)。今回の研究においても、水素分子が脳虚血後の神経細胞死の抑制に貢献していることは明らかですが、脳に運ばれる動脈血中の水素濃度は予想以上に低レベルであることから、水素分子による神経細胞死の抑制には未だ解明されていないメカニズムが存在する可能性があります。今後、水素分子の別の効果も検証していく予定です。

■研究者情報

袴田陽二(獣医学部獣医保健看護学科 獣医保健看護学基礎部門・教授)
藤澤正彦(獣医学部獣医保健看護学科 獣医保健看護学基礎部門・講師)

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