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新刊記念!植木美希名誉教授にインタビュー!

 本学の植木美希名誉教授、田中亜紀特任教授、そして、本学出身であり、公益社団法人日本動物福祉協会で獣医師・調査員をされている町屋奈先生の共同著書「動物福祉 アニマルウェルフェア -世界の歩みと日本の取組み-」が出版されました。



書影

動物福祉 アニマルウェルフェア
-世界の歩みと日本の取組み-

著者:植木 美希、田中 亜紀、町屋 奈
出版:工作舎
定価:2,200円(税込)
発売日:2024年7月22日

Part I 家畜の健康と幸せを考える
-先行するEUの動物福祉と求められる日本の改革-
植木 美希 名誉教授(動物科学科 食料自然共生経済学教室)

Part II シェルターメディスンをつくる
-多くのいのちのためにできること-
田中 亜紀 特任教授(獣医学科 野生動物学研究室)

Part III ペットと共に生きる
-人もペットも幸せな社会に-
町屋 奈(公益社団法人 日本動物福祉協会[獣医師・調査員])


発刊を記念して、著者の一人である植木美希先生に直接お話を伺いました!


-スーパーマーケットで「平飼いたまご」が売り場に並んでいるのを見ました。
 高価ですが、ヨーロッパでは圧倒的な人気なのですね。味が違うのでしょうか?

たまごの味は飼料の違いと一般的には言われています。けれども食べ比べると「平飼いたまご」の方が、普通のたまご(ケージで飼育された鶏のたまご)より美味しく感じます。飼育方法を知っているとやはり違います。人間は味だけではなく脳で食べるとも言うので、幸せに育った鶏のたまごの方が美味しく感じるのでしょう。
科学的にも美味しさを立証するために、動物科学科の先生方に飼育方法の違いによる成分分析の研究もお願いしているところです。


-「動物福祉(アニマルウェルフェア)」に興味を持たれたきっかけを教えてください。

有機農業(農薬や化学肥料を使わない米など)や有機食品を研究していたのですが、本学動物科学科に着任して、有機畜産を研究するようになりました。日本とヨーロッパの農業・食料政策の共通点や違いを学生に伝えたいという気持ちがありましたし、動物科学科の学生がやはり動物好きで動物の飼育方法に興味がとてもあるという2点から自然に「動物福祉(アニマルウェルフェア)」の研究をするようになりました。


-「動物福祉」と「動物愛護」は違いますか?

本にも書いてありますが、違いもありますね。「愛」という言葉が非常に主観な要素が強いです。愛は人それぞれなので。「福祉」はもっと科学的根拠に基づいた考え方ですよ。


-どんな人にこの本を読んでもらいたいですか?

若い人ですね。本学で学ぶすべての学生さん、そして若い人に読んで考えて欲しいです。


-「平飼いたまご」と普通のたまご、知っていたら確かに味が違うでしょうね。
 「子牛のカツレツ」についても今回この本で初めて知りました。
 ありがとうございました!



「動物福祉」についての更なる詳細や、田中先生、町屋先生の章を通して、家畜・ペットなどの動物と人間との共生に関する様々な問題について幅広く考えさせられる内容となっておりますので、ご興味のある方は是非ご一読ください!



書籍についての詳しい情報はこちら
(工作舎ホームページ)



■関連リンク
植木 美希 名誉教授(研究者情報)
田中 亜紀 特任教授(研究者情報)
食料自然共生経済学教室(動物科学科)
野生動物学研究室(獣医学科)
公益社団法人 日本動物福祉協会