【新着論文】魚の新しい病気を見つける~サケ科魚類初のバチルス属細菌感染症~
- 論 文 名:
- A Case of Mortality Caused By Bacillus sp. Infection in Farmed,Red-Spotted Masu Trout(Oncorhynchus masou ishikawae)in Japan
(和訳)日本の養殖アマゴにおけるバチルス属菌感染による死亡例 - 著 者:
- 髙田 優三1)※、黒部 智史2)、桐生 郁也2)、稲田 真理2)、冨山 皓介3)、
中村 永介3)、阿久津 哲也3)、倉田 修4) - 1. 日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科・水族医学研究室、国立研究開発法人
水産研究・教育機構 水産技術研究所 病理部 - 2. 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 病理部
- 3. 静岡県水産・海洋技術研究所 富士養鱒場
- 4. 日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科・水族医学研究室
- ※研究代表者
- 掲載雑誌:
- Journal of Fish Diseases,2026,49.5:e70098.
Wiley
doi: 10.1111/jfd.70098
- 研究内容:
- 私たちは今回、サケ科魚類で初めて確認されたBacillus(バチルス)属細菌による感染症について報告しました。この研究成果は、魚の病気に関する国際学術誌Journal of Fish Diseasesに掲載されました。 本研究では、東日本の養殖場で発生したアマゴの慢性的な死亡事例について調査を行いました。病気になった魚に対して細菌検査、遺伝子検査、病理検査を実施したところ、Bacillus属細菌が関与している可能性が示されました。さらに、この細菌を用いた感染実験を行い、実際に病気を引き起こすことを確認したことで、本事例の原因がBacillus属細菌の感染であることを明らかにしました。Bacillus属細菌による魚類の死亡事例は世界的にも報告数が少なく、日本では今回が初めての報告です。近年、日本では陸上養殖や「ご当地サーモン」など、サケ科魚類の養殖が盛んに行われているため、このような新しい感染症への注意が今後ますます重要になると考えられます。 新たな感染症を早期に発見し、その原因を解明することは、養殖業における被害の軽減や安定した食料生産を支えるうえで重要です。今後、この細菌についてさらに研究を進めることで、その特徴や感染の仕組みをより詳しく理解し、効果的な予防法や対策の開発につながることが期待されます。本研究は、魚の病気の原因を明らかにすることで、養殖業の発展と食料の安定供給に貢献することを目指しています。
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(文責:髙田優三)

